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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

日本映画は上海国際映画祭でも人気
思い出す秘密作戦――ポルノ映画が見たい

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第160回】 2013年6月20日
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 こじれた日中関係が梅雨の冴えない天気と同じようになかなか晴れ間を見せてくれない。それでも時々、垂れこむ雲の隙間に、太陽の光が射してくるような話題が出てくる。

チケット入手のため未明から並ぶ人も

 第16回上海国際映画祭は6月15日から幕を開けた。その映画祭開催期間中に、「2013上海・日本映画週間」も合わせて開催されることになっている。同23日まで開催予定の上海は映画の話題で独占されている感すらある。

 今月8日から、映画祭の上映チケットが一斉に発売され、各窓口には長蛇の列ができ、中には未明の3時から列に並んだ人もいた。とくに日本映画に人気が集中していた。仕事でチケットを買いに来られない日本ファンの娘のために、老夫婦が交代で2回も列を並んでチケットを購入したという嬉しいエピソードも、東京の私のところまで伝わってきた。

 関係者の話によると、小津安二郎監督の映画「東京物語」と「秋刀魚の味」がトップクラスの人気となり、あっという間に完売した。吉田大八監督の「桐島、部活やめるってよ」、山田洋次監督作の「東京家族」も初日でチケットが売り切れ、高倉健主演の「あなたへ」、綾瀬はるか主演の「ひみつのアッコちゃん」、武井咲主演の「今日、恋をはじめます」もチケット売上ランクの上位を占めている、と新華社など中国の主要メディアが大きく報じている。

 前夜祭に栗原小巻と記念写真を撮った中国の中年男性が大喜びしていることを書いているものも、中国版SNS微博やブログで読んだ。日中関係が冴えない展開の中で、日本映画に対する人気は根強いものが依然としてあるのを確認できて、日本映画週間の事務局側の裏の苦労を多少知っているだけに、私は胸をなでおろした。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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