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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

習主席の着こなしに注文!ファッションセンスの高まりが日本企業のチャンスを広げる

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第159回】 2013年6月13日
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 6月に入ってから、中国の習近平国家主席が、トリニダード・トバゴ、コスタリカ、メキシコ、そしてアメリカを訪問し、オバマ大統領との2日間にわたる会談も行った。

 日本のメディアは新しい大国関係の構築を模索する米中首脳のこうした動きに全神経を取られ、その一挙手一投足に一喜一憂するニュースを連発している。しかも、同じ新聞でも矛盾する記事を気にもせずどんどん掲載している。こうした報道に一々付き合う気はさらさらないので、ここではそれ以上、論を広げないことにした。

習主席の背広の袖が長すぎる

 私は逆にあるエピソードに興味を持った。アメリカを訪れた習氏の報道写真を見ると、中国の読者から「背広の袖が長すぎる。ワイシャツの袖をすこし出るようにしないと、おかしいのでは」といった指摘が出てきた。中には、おしゃれなファーストレディーの彭麗媛さんがもっとアドバイスをしたら、という老婆心による提案もあった。

 首脳や政府高官のファッションに対するこうした中国の国民の反応は近年、強まっている。そのファッションで民衆の反感を買った人も結構いた。その典型例が李鵬の娘である李小琳さんだ。逆に、ファッションで民衆の好感を大きく得た典型例は、ほかならぬ習近平の妻である彭さんである。

 他人のファッションセンスに対する関心が高まったことは、イコール自らの審美眼が試されることだ。近年、日本を訪れる中国人が背広などを何着も買い込む原因もそこにある。中国では、背広の値段が高い。4000元(1元は約15円)以上の背広でないと、とても公式な場に出られないという男性が結構いる。デパートに行くと、わけのわからないブランドだが、イタリアといった文字表示があると、平気で6000元以上の値札が付けられている。だから中国人ビジネスマンは近年、日本に来ると、背広を新調して帰る傾向を見せている。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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