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アフリカ、経済成長の光と影

貧しさとカネと暴力が絡み合う混沌の売春街
HIV感染リスクを負いながらもがく女性たち

【第4回】 2013年6月21日
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本連載第3回でダルエスサラーム近郊、キノンドニ地域Manzese地区で行なわれていたコンドームの正しい使用方法や使用促進を目的としたエデュテイメント(教育と娯楽を合わせた造語)の様子を紹介した。実はこのManzese地区は、ダルエスサラームでは有名な売春街でもある。街を進むと、粗末な家々に挟まれた路地では子どもたちが無邪気に走り回る。だが、よく見るといくつかの家には小さな戸がいくつもあり、中は小部屋になっている。そこで夜になると売春が行なわれる。HIV/エイズの問題を語る上で欠かせないのが、ここで働くセックス・ワーカー(売春婦)たちの存在だ。彼女たちの置かれた現実から、問題の本質を探る。(取材・文/ダイヤモンド・オンライン編集部 片田江康男)

売春は犯罪行為でも
警察も客だから放置

取材中に後ろから急に筆者の肩をつかみ、スワヒリ語で必死に話しかけてきたイッサ。写真を取って、一通り話を聞くと、満足そうに帰っていった Photo:DOL

 「オレの写真を撮れ」

 そう言って、彼は筆者の肩をつかんだ。

 「このあいだHIV陽性だって分かった。オレが生きていた証として写真を撮ってほしい」

 理由を聞くと、彼はそう答えた。名前はイッサ、22歳。感染経路について知っているのかと聞くと「生活が嫌になって酒を飲んで、セックス・ワーカーとセックスした。コンドームはしなかった」からだという。

 タンザニア、ダルエスサラームでも有名な売春街であるManzese地区。ここでは“買う”方も“買われる”方も、命を削りながら必死に生活している。

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アフリカ、経済成長の光と影

いま、アフリカ大陸に世界の経済人たちの熱い視線が注がれている。本格的な経済成長へ向けて、政府間では数千億円規模の開発プロジェクトが次々と決定。企業もアフリカの市場として可能性に注目し、本格的に進出へ動き始めた。それはまるでアフリカ投資に関して遥か先を走る中国政府の動きに引っ張られているかのようで、前のめりな姿勢が目につく。しかし、冷静にアフリカ市場を見ていくと、いまだに貧困問題や感染症問題が未解決のまま残されており、市場の成長を阻害する要因となっているようだ。本連載ではアフリカ経済の成長性という光の部分と、未解決のまま残された社会問題という影の部分を取り上げる。

「アフリカ、経済成長の光と影」

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