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組織の不調は社員を枯らす!職場の不快感に効く「メンタル・マネジメント」

「えせマイルド社員」「水増し社員」に騙されるな!
対人的情弱症の人事部が真に使える人材を見抜く法

――処方箋㉕性格でなく行動で炙り出す「コンピテンシー評価」を活用せよ

渡部 幹 [モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]
【第25回】 2013年7月17日
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やさしい社員は本当にやさしいか?
怪しい「パーソナリティ」という考え方

 心理学の用語で最も有名なものの1つが「性格(パーソナリティ)」という言葉だろう。パーソナリティの訳語は、性格、人格、人柄、人となりなど様々だが、これらは全て、研究者以外の人々も日常生活の中でよく使う言葉だ。

 もちろん、ビジネスでもよく使う。

 「彼の性格から言って、この仕事は難しいだろう」

 「自分の性格がこの仕事に向いていると思い、志望いたしました」

 など、自分や部下のパーソナリティと仕事内容との相性について、考えることは多いだろう。

 しかし、このパーソナリティという考えは、実は怪しいのだ。

 パーソナリティのもともとの定義は、「状況にかかわらず、その人にある特定の行動傾向をもたらす内的な要因」というものだ。

 たとえば、「彼はやさしい」というパーソナリティがあるとする。しかし、彼の「やさしさ」は目に見えるものでも掴めるものでもない。その「優しい性格」は、彼の様々な行動から受ける印象を要約したものに過ぎない。

 たとえば、部下が困っているときに相談に乗る、取引先の担当者の誕生日を覚えていて贈り物をあげる、などの行動を誰かが目にし、「彼はやさしい人だなあ」という印象を持つ。そのようなケースが何回か起こると、「彼はやさしい性格だ」という評価が定着する。

 しかし一方で、人間の行動は状況によって、かなり左右されることがわかっている。彼のやさしい行動は、もしかすると「部下の面倒を見ることで上司受けをよくする」「取引先の心証を良くしてビジネスにつなげる」などの目論見があってやっているのかもしれない。

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渡部 幹(わたべ・もとき)
[モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]

UCLA社会学研究科Ph.Dコース修了。北海道大学助手、京都大学助教、早稲田大学准教授を経て、現職。実験ゲームや進化シミュレーションを用いて制度・文化の生成と変容を社会心理学・大脳生理学分野の視点から研究しており、それらの研究を活かして企業組織にも様々な問題提起を行なう。現在はニューロビジネスという大脳生理学と経営学の融合プロジェクトのディレクターを務めている。代表的な著書に『不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか』(共著、講談社刊)。その他『ソフトローの基礎理論』(有斐閣刊)、『入門・政経経済学方法論』、『フリーライダー あなたの隣のただのり社員』 (共著、講談社)など多数。


組織の不調は社員を枯らす!職場の不快感に効く「メンタル・マネジメント」

職場で「不快感」を訴える社員が急増している。成果主義的な評価制度を導入する企業が増えたことにより、チームワークよりも自分の業績を重視する社員が増え、「ギスギス職場」が生まれているからだ。一方で、年功序列と終身雇用が崩壊しつつある職場では、職場の「世代間ギャップ」もかつてなく広がっている。こうした職場は結束やコミュニケーションを失い、社員の不快感は増していく。職場の不快感を取り除くには、制度的な「仕組み」を導入するだけでは不十分だ。部下1人1の「心」に効く、メンタル・マネジメントの方法論を上司が体系的に理解しておく必要がある。この連載では、日本の職場で起こりがちな「不快感」の臨床例を毎回わかりやすく紹介し、それを解決するメンタル・マネジメントの方法論を、社会心理学的な視点を織り交ぜながら、詳しく解説していく。

「組織の不調は社員を枯らす!職場の不快感に効く「メンタル・マネジメント」」

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