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ディズニー こころをつかむ9つの秘密
【第8回】 2013年7月22日
著者・コラム紹介バックナンバー
渡邊喜一郎

東京ディズニーランドは
どのように「商圏」を定めたのか?
集客のキモとなるその大胆な考え方とは!

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第8回目は、集客の基本「商圏」の設定についてです。果たして開業当時のディズニーランドはどのように商圏を定め、旅行会社のプランをつくりあげ、遠くのお客様を惹きつけたのか?今回も目からウロコの知られざるマーケティングの極意が明らかに。 

宮城、新潟、岐阜までは「日帰りエリア」

 マーケティング担当としては、集客のための基本的な考え方を整理し、旅行業者にアプローチしていく、という役割がありました。まずは、商圏(お客様がいらっしゃる地理的な範囲)の設定です。
 カウンターパートのノーム・エルダーから言われたのは、

1.プライマリーマーケット(第一次商圏)
2.セカンダリーマーケット(第二次商圏)
3.サードマーケット(第三次商圏)

の3つに分けよ、ということでした。プライマリーマーケットは、日帰り圏。東京ディズニーランドの日帰り圏というと、首都圏近郊を思い浮かべてしまうのではないかと思います。しかし、ノーム・エルダーは違いました。

「宮城、新潟、岐阜までをプライマリーマーケットとして考えよう」
と言うのです。
「東北・北陸・東海地方から日帰りでやってくる人は少ないと思う、ここは宿泊客がメインとなるのではないか?」
 私は伝えましたが、彼は、
「バスツアーが使える東海地方はプライマリーマーケットで間違いない」と言うのです。そして、

「この商圏はリピート率が60%以上になる、だから特に大事にしなければいけないのだ」

と教えてくれました。
 そしてそれは、後々数字でも明らかになったのですが、その通りだったのです。

 また、セカンダリーマーケットは、宿泊を必要とする商圏。
 そしてサードマーケットには、驚くべきことに東南アジアの国々が入っていました。アジアの国々の富裕な人たちを、東京のディズニーランドに呼び込む。それを開業の1983年時点ですでに考えていたのです。まさにグローバル規模で発想する、アメリカ人のビジネススケールの大きさを感じました。

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渡邊喜一郎

1959年生まれ。1981年、大卒/高卒の定期採用2期生として、オリエンタルランド入社、運営本部マーケティンググループに配属。東京ディズニーランドのオープンに向け、マーケティング全般に携わった。当時はまだ確立していなかった集客、ブランド構築、知名度向上からツアー企画やプライシングなどのしくみづくりまでを行い、2年目に目標の入場者数1000万人を達成した。開業後はリピーター獲得、マスコミ戦略策定など新しい試みの仕掛け人として活躍したのち開発部に異動、オフィシャルホテルオープン、ディズニーリゾート全体の開発を手がけた。 東京ディズニーランドで得たマーケティングの経験を活かし日産自動車、現タカラトミーなどを経て、メディア工房取締役常務執行役員を務める。2012年に新会社の代表取締役に就任、スマートフォン事業、EV事業等を手がけている。


ディズニー こころをつかむ9つの秘密

東京ディズニーランドの開業前からブランディング、集客などからプライシングまで携わり、開業後はリピーター獲得、オフィシャルホテルのマーケティングなどを担った伝説のマーケターが、ディズニーの神髄を初めて語る。この連載では、今まで語られてこなかったマーケティングの秘密を記した書籍の中からトピックをご紹介します。

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