旬を楽しみ、身体が喜ぶ 江戸料理
【第51回】 2013年7月19日 車 浮代

徳川将軍が毎朝食した「鱚《きす》」
脚立釣り発祥のきっかけにも

 魚偏に「喜」と書く鱚は、縁起の良い魚として、徳川将軍の朝食には欠かせない食材でした。

 将軍は朝五つ(午前8時頃)、中奥《なかおく》と呼ばれる将軍の住居スペースの御小座敷で、髪を結われながら食事をします。

 一の膳には汁、飯、向こう付け(刺身や酢の物など)、平《ひら》(煮物)が乗っており、二の膳には吸い物と皿(焼き物)。

鱚の塩焼き
【材料】鱚…1匹/塩…少々
【作り方】①鱚は鱗を落とし、腹を切って内臓を取り、腹の中を洗って水気をふく。②1の両面に塩を振って5分程度置いてから、両面を焼く。

 この皿の焼き物が、鱚の塩焼きと漬け焼きの二種類が乗った「鱚両様」と決まっていました。

 ただし、毎月1日、15日、28日の皿には鱚ではなく、尾頭付きの鯛や平目が乗りました。

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旬を楽しみ、身体が喜ぶ 江戸料理

栄養価の高い旬の食材を、あまり手を加えずにいただく――。これが江戸料理の醍醐味であり、健康長寿につながる正しい食のあり方だと思います。このコラムでは、江戸料理と健康をテーマに、食材ごとの情報とレシピをご紹介していきます。

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