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ジャーナリストキャンプ報告「震災後の福島に生きる」

原発から30キロ
眠れる港の魚を食べ、考える

竹野内崇宏
【第10回】 2013年7月29日
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実はあなたも、福島産の魚を食べているかもしれない。福島第一原発事故から2年4ヵ月、福島の漁業は徐々に再開し、首都圏にも出荷が始まっている。「福島のため、記者も魚を食べたい」。使命感と食欲に突き動かされ、筆者は原発から30キロの眠れる漁港、いわき市久之浜に向かった。食った魚は美味かった。しかし、正直に言えば、熱い固まりとなって、腹の中にとどまっているような気もした。(取材・文・写真/竹野内崇宏〈たけのうち・たかひろ〉)

原発30キロの「眠れる港」
豊かな海の幸、食べてみたい

 大きく孤を描く堤防は崩れ、荒れ地に草だけが茂っている。ところどころ、むきだしになった家屋の基礎だけが、2年前まで沿岸漁業で栄えた港町の面影を伝える。

津波で被災した久之浜。ここは「街並み」だった久之浜港で津波で破壊された船の「墓場」

 5月上旬に訪ねた、福島県いわき市北部の久之浜(ひさのはま)は、2011年3月11日の津波の爪痕がいまも色濃い。65人が亡くなり、潮に侵された土地は「災害危険区域」に指定されるなど、住宅の再建がされないまま広大な荒れ地になっている。

 町に隣接する港の魚市場も、震災以来、眠ったままだ。市場の建物は、1階の天井板まで津波にもぎとられた。港の奥には、破壊された船が墓場のように積み上げられている。

 時折、漁師が自転車でふらりと訪れては、じっと佇んで海を眺めて煙草を吹かし、また無言で去っていく。そのうちの一人はぽつりと語った。「おれは船も流されて、跡継ぎもいない。漁はもうおしまいだよ」。

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ジャーナリストキャンプ報告「震災後の福島に生きる」

 原発事故報道に埋もれた「フクシマ」のリアルに、百戦錬磨のジャーナリストたちが迫る。新聞協会賞受賞、朝日新聞「プロメテウスの罠」の依光隆明。「フクシマ論」で一気に注目を浴びた気鋭の社会学者・開沼博。地元東北を代表する地方紙、河北新報で気を吐く編集委員・寺島英弥。ネットの視点を持つ前ニコニコニュース編集長・亀松太郎。そしてデータジャーナリズムの第一人者・赤倉優蔵。5月、一斉に福島県いわき市に入り、グループを率いて競い合うように取材した彼らが、震災から二年を過ぎた被災地で見たものは。

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