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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

習政権の経済運営方針を反映する
中国西部・蘭州新城開発のストップ

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第166回】 2013年8月1日
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 2004年頃から2年前まで、私は時間があるたびに中国各地に飛び、地方都市を歩き回った。統計データだけではなく、自分の目で、自分の足でこの地方を確かめないとその地方に対する皮膚感覚が養われないと思うからだ。8年ぐらいの時間をかけて50ぐらいの都市を回った。

 2010年、これから最も発展する潜在力のある地方都市として、その中から22の都市を選びだして一冊の本にまとめた。それが『莫邦富が案内する中国最新市場22の地方都市』(海竜社)だ。

 ご存じのように、広い中国は東部(沿海部とも言う)、中部、西部、東北部という4つのブロックに分けて見ることが多い。拙著のなかでは、東北ブロックの都市は一つも取り上げなかった。逆に立ち遅れた印象の強い西部ブロックの都市は4ヵ所紹介した。成都、重慶、昆明、蘭州だ。正直に言うと、蘭州を取り上げるのは、躊躇した。あまりにも立ち遅れていたからだ。しかし、中央アジアに通じる要所にある蘭州は、伸びる可能性もその分大きく見える。数回の視察を経て、ようやく取り上げることに踏み切った。やはりその将来性は評価したい。

数百台の大型建設機械が放置

 だが、不安は払拭できていない。西部の幹部の視野と知識の狭さを知っているからだ。視野と知識が足りない分、乱暴に開発に突入し、形ばかりのハコモノの建設に走る恐れがある。

 2011年夏、開発中の蘭州新城といわれる開発現場を視察したとき、現場幹部が披露した開発プランを見て呆れてしまい、30分も経たずに現場を離れた。降水量が非常に少ない蘭州に、杭州の西湖のような湖を造成して世界中の企業を誘致したいという紹介を聞かされたからだ。

 あっという間に2年の歳月が過ぎ去った。中国の指導者も代替わりをすませ、今年の3月に、胡錦濤時代から、水増しのGDPは要らないと公式に宣言した習近平時代に代わった。蘭州新城の開発を巡る政治的環境も経済的環境も大きく変わった。そこへ、中国メディアが蘭州新城の開発現場を暴露する報道がどっと溢れ出た。その一部をここに紹介したい。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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