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「デジタルな日常」を生きる

【新連載】
あなたの情報は、死んでもネット上を漂い続ける…
「デジタル・タトゥー」 問題とは何か?

松村太郎 [ジャーナリスト・著者]
【第1回】 2013年8月13日
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「TED Conferencs」で「デジタル・タトゥー」について講演するフアン・エンリケス氏 Photo by TED Conference

 今年2月にカリフォルニア州ロングビーチで行われた「TED Conference」で印象に残っているキーワードの1つに「デジタル・タトゥー」(Digital Tattoo)がある。電子的な入れ墨、という意味合いだ。入れ墨を消すのは難しいと知られているが、我々が生活する中で、こうした入れ墨をデジタル空間で残し続けているという指摘である。

 この言葉を語ったフアン・エンリケス氏は、生物科学関連のベンチャーキャピタルの役員やゲノム研究と投資を行う企業のCEOを勤めている人物だ。TED 2013でのスピーチはこちらから見られる。

人は「不死」を手に入れた?

 エンリケス氏は、スピーチの中で、能動的な投稿や受動的な結果に関わらず、人間の行動によってデジタルデータが記録され、ほぼ永久に蓄積されていくとし、「人間は不死になった」という表現している。現実世界での行動がデジタルで記録され、これがログとして生き続けるためだ。デジタルと死についても議論がわき起こっているが、これはまた別の機会に。

 我々の生活の中でスマートフォンを使っていると、どんなデータを刻む可能性があるだろう。

 意図的に投稿している情報としては、Twitter、Facebook、LinkedIn、Foursquare、ミクシィ、Instagramなどの文章/写真/動画投稿/位置情報へのチェックイン、顔認識のタグ付けなどが分かりやすい。ソーシャルメディアへの投稿は、共有する前提で長く残り続ける。最近ではヘルスケア目的で、歩数や睡眠の情報も記録している。

 また自然に記録されている情報としては、Google等検索エンジンの検索履歴とクリック先、ウェブページ閲覧先と滞在時間、YouTubeやニコニコ動画の視聴履歴、アプリストアのダウンロード履歴、ゲーム等のログイン時間とプレイ時間など。あるいは端末の電池の使用状況も、端末の開発者にとっては貴重なデータになる。

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松村太郎[ジャーナリスト・著者]

まつむら・たろう/1980年生まれ・米国カリフォルニア州バークレー在住のジャーナリスト・著者。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。近著に「スマートフォン新時代」「ソーシャルラーニング入門」など。

 


「デジタルな日常」を生きる

スマホ、SNSなど、毎日の暮らしに欠かすことのできなくなったネット環境とデジタルツール。その一方で、セキュリティやプライバシーの問題、ツールへの依存、ネットコミュニティとの関わり方など、日々新たな問題が現れ、状況は変化している。私たちは「デジタルな日常」をどう生きていけばいいのか、米国シリコンバレー在住の記者が、生活者の目線で解説する。

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