ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
海外戦略アドバイザー杉田浩一が徹底解説 ミャンマービジネス最前線

激変するミャンマー市場はバラ色なのか?
4大リスクの改善度合いを再評価する

杉田浩一 [株式会社アジア戦略アドバイザリー 代表取締役]
【第1回】 2013年8月8日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

民主化へ舵を切り、欧米の経済制裁が解除されたことで、世界中の企業の耳目が注目するミャンマー市場。具体的な民主化政策の実行からわずか1年しか経っていないが、その変貌ぶりには驚くばかりである。東南アジアの「ラスト・フロンティア」とも呼ばれるが、実際に企業がビジネスを進める事ができる環境にあるのだろうか。ダイヤモンド・オンラインでは1年前からミャンマー市場の変化を追ってきた。本連載では企業進出の現場から、何が具体的な問題点なのか、またそれを乗り越えるようどのような努力が現在なされているのかについて見ていきたい。第1回は、1年前に挙げられていたビジネス上のリスクが、どの程度改善されたかをレビューしてみたい。

希望と戸惑いのミャンマー

 ミャンマーを取り巻く環境は、この1年で大きく変化した。

 ヤンゴンの街並みを歩くだけでもそれは容易に感じることができる。町中を走る車の量の増大とそれによる渋滞の悪化、外国製品の広告の増加、あちこちで始まっている建設プロジェクト、不動産価格の高騰、若者たちのファッションの洋風化、多くの新規店舗の開店等、このスピードで変わっていったら数年でどこまで変わってしまうのかと思うほどだ。

 一方で、少し裏道に入れば、そこには昔ながらの静かなバラックの家並みがこの1年の変化など関心もないかのようにたたずんでいたりする。街中の喧騒とは切り離された、昔ながらののんびりとした時間がそこには流れている。ミャンマー自身が、急激な変化の激流に、希望と戸惑いを感じながら、突き進んでいるようだ。

 その中で、果たして1年前に期待された日系企業にとっての企業進出の現場はどうなっているのだろうか。当初の予想通り、日本企業が大挙して進出し、現地での活動を始めているのだろうか。

 2013年2月のジェトロセンサーによると、2011年3月30日のティンセイン大統領による新政権誕生後、64社が新たに進出・サービス開始について発表している。一方で、進出を検討し、現地視察まで行く企業は多いが、実際の進出までに至らないケースは、その何十倍もあるとも聞く。

 実際のところ、日本企業にとって、どれほどビジネス環境としてこの1年間で改善されたのだろうか。具体的に、投資決断の際に問題になる点は何なのだろうか。それはどのように対応しうるものなのか。また今後は、現地のビジネス状況はどのように変わっていくのだろうか。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

杉田浩一 [株式会社アジア戦略アドバイザリー 代表取締役]

すぎた こういち/カリフォルニア大学サンタバーバラ校物理学及び生物学部卒。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)経済学修士課程卒。15年間にわたり複数の外資系投資銀行にて、海外進出戦略立案サポートや、M&Aアドバイザリーをはじめとするコーポレートファイナンス業務に携わる。2000年から2009年まで、UBS証券会社投資銀行本部M&Aアドバイザリーチームに在籍し、数多くのM&A案件においてアドバイザーを務める。また、2009年から2012年まで、米系投資銀行のフーリハン・ローキーにて、在日副代表を務める傍ら東南アジアにおけるM&Aアドバイザリー業務に従事。2012年に、東南アジアでのM&Aアドバイザリー及び業界調査を主要業務とする株式会社アジア戦略アドバイザリーを創業。よりリスク度の高い東南アジア案件において、質の高いアドバイザリーサービスの提供を目指してASEAN各国での案件を遂行中。特に、現地の主要財閥との直接の関係を生かし、日系企業と現地企業間の資本・業務提携をサポートしている。ミャンマーにおいては、大手事業会社、総合商社、金融機関等の進出戦略立案及びその実行サポートに携わる一方で、2012年よりダイヤモンド・オンライン(Diamond Online)にて、3年間にわたり人気コラム『ミャンマー その投資ブームは本物か』『海外戦略アドバイザー杉田浩一が徹底解説 ミャンマービジネス最前線』を連載。


海外戦略アドバイザー杉田浩一が徹底解説 ミャンマービジネス最前線

民主化へ舵を切り、欧米の経済制裁が解除されたことで、世界中の企業の耳目が集まるミャンマー市場。具体的な民主化政策の実行からわずか1年で、会社法や外国投資法など進出する企業にとって重要な法律が施行され、市場として環境が整い始めた。本連載では、企業進出の現場から何が具体的な問題点なのか、またそれを乗り越えるようどのような努力が現在なされているのかについて見ていきたい。「ミャンマー その投資ブームは本物か」に続く、連載第2弾。綿密な現地取材をもとに、ミャンマービジネスの最前線を追う。

「海外戦略アドバイザー杉田浩一が徹底解説 ミャンマービジネス最前線」

⇒バックナンバー一覧