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野口悠紀雄が探る デジタル「超」けもの道

ニューヨーク・タイムズの記事でわかる
日本、中国、韓国に対するアメリカの関心度

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第27回】 2008年6月2日
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 下の表【表1】は、ニューヨーク・タイムズ(NYT)の記事に登場したJapan,China,Koreaという言葉の数を、1981年以降の期間を3つに分けて示したものである(この検索を行なうには、NYTの検索ページで期間を指定する必要がある。期間は「Date Range」で「Custom Date Range」を選択すれば任意に指定できるので、1年ごとの表なども簡単に作成できる)。

表1
1981年以降のNYTにおける Japan,China,Korea という言葉の登場数

 これを見てまず第1に注目されるのは、日本の減少。そして、中国の増加だ(「日本」というのは、「Japanという言葉の数」の意味。以下同様)。このことは、調べる前から予想していたことであり、けっして意外な結果ではない。しかし、このような数字を突きつけられると、この間の世界情勢の変化を改めて思い知らされる。

 現在の日本は、1980年代と比べると、ほぼ3分の2に減少している。それに対して中国は、この間にほぼ2割増加した。

 その結果、日本と中国の関係は逆転した。すなわち、80年代において中国は日本の約3分の2でしかなかったのだが、21世紀になってからは、中国が日本より2割ほど多くなっている。

 「中国の成長と日本の停滞」ということは、さまざまな場面で認識させられているので、NYTへの登場頻度がこのような推移を示すのは、当然とも言える。しかし、韓国の状況は、やや意外である。韓国の数は、この期間に減ってはいない。80年代に比べると、むしろ増加しているのだ。しかも、増加率は約3割であり、中国のそれよりも高い(Koreaのなかには、北朝鮮も含まれるので、Korea=韓国ではない。しかし、韓国と北朝鮮の比率がこの期間中で変わらなければ、上の表は韓国と他国の相対関係を示すものと解釈することができる。そこで以下では、便宜上、Koreaを「韓国」と呼ぶことにする)。

「関心度の変化」は、
経済力の変化と同一ではない

 変化が生じた時期も、日本とそれ以外では異なる。中国、韓国が増加したのは、1990年代である。そして、90年代と最近ではあまり大きな変化が見られない。それに対して日本の数は、90年代にはあまり減少していない。減少したのは、21世紀になってからである。

 この変化パターンは、経済面の変化と深く関連はしているものの、完全に同一ではない。名目GDPの成長率(期間中の平均年率)の推移を見ると、つぎのとおり【表2】である。

表2
名目GDPの成長率の推移(期間中の平均年率)

 中国が目覚ましい経済成長を開始したのは90年代であり、記事数の変化は、それとほぼ同じ傾向を示している。しかし、日本と韓国は、経済成長率の変化と記事数の変化傾向がまったく同じではない。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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