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ルネサス・鶴岡工場閉鎖に「待った」
地元で再燃した工場独立計画

週刊ダイヤモンド編集部
【2013/08/26】 2013年8月26日
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 一方、工場を存続させたい地元グループも独立を模索していたが、工場でなにを製造するのかという事業計画がネックになっていた。工場の操業を続けるにあたり想定していた主要顧客は、長年付き合いのあった任天堂だった。しかし、期待をかけていた任天堂の新型ゲーム機「Wii U」が大コケ。4~6月期も今年度の販売目標900万台の2%以下の16万台しか売れないなど落ち込みが想像以上に激しく、工場黒字化のメドが立たなかったのだ。

新たな救世主が
鶴岡の製造ライン活用を打診

 だが、最近になって地元グループに一筋の光明が差しんだ。任天堂とは別のメーカーが、鶴岡工場の製造ラインを活用した大型案件を打診したのだ。ビジネスが成立すれば当面の間、工場は黒字化できる見込みで、地元関係者の間で独立計画に“青信号”が灯ったという。

 ただ、ルネサス本社が8月末にまとめる予定の工場閉鎖の工程表では、鶴岡工場の半導体の製造装置は、那珂工場(茨城県ひたちなか市)へ移設するか売却が計画されている。鶴岡工場活用を打診したメーカーは、那珂工場の製造装置立ち上げまでの空白期間などを嫌っており、移設の場合には大型案件は立ち消えになる。

 地元グループの関係者は、鶴岡工場の半導体製造装置など約600台の製造設備を那珂工場に移設した場合、輸送や点検・調整など累計で200億円以上の費用がかかると試算。それにもかかわらず、鶴岡工場の閉鎖が優先される背景にはなにがあるのか。内部事情に詳しい関係者は、「社内の主導権争いに勝利した旧日立製作所の勢力が、投資資金にも事欠く中で、那珂工場に設備を移したいだけだ」と指摘する。

 「鶴岡工場を閉鎖するよりも、売却して独立させた方がルネサスのメリットになる。構造改革が急務なのは分かるが、閉鎖を急ぐ前に、われわれの計画を検討してほしい」と強調する地元グループは、鶴岡工場を独立させようと、ルネサス本社に対して近く本格交渉を始めるという。

(週刊ダイヤモンド記者 大矢博之)

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