
日本の経営者の報酬が低いと指摘されて久しい。それでも、実は日本の上場企業には「年収1億円以上」のビジネスパーソンが1109人もいる。成果に見合った報酬を受け取ることは当然といえよう。ただし、大事なのは納得感だ。業績や株価が振るわなければ株主は不満を持つだろうし、なにより従業員の士気が下がる。そこで、電機業界の1億円以上もらう役員と従業員の年収格差ランキングを作成。特集『1億円以上稼ぐ取締役1109人はもらい過ぎ!?「年収1億円以上幹部」と従業員の年収格差ランキング』(全24回)の#21では、電機業界の年収1億円以上の経営幹部と一般社員の年収格差の実態を調査、実名ランキングで136人を検証する。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
電機業界で年収1億円以上136人の実名
他業界に比べ従業員との格差が大きい
電機業界で年収が1億円を超える幹部は、なんと136人もいる。では、その幹部たちは従業員の年収の何倍をもらっているのだろうか?業績に見合う年収を受け取っているのだろうか?
ダイヤモンド編集部では、経営トップの会長、社長のみならず役員を対象に、年収1億円以上の高額な報酬を受け取っている人物を業界別に集計した。1社から複数人が記載される場合もある。その経営幹部である人物の年収と従業員の平均年収を比較し、何倍の開きがあるかでランキングを作成した。数字が大きくランキングの上位にいるほど、従業員の待遇との格差が大きいことになる。
また、本特集では高収入を単純に批判する狙いはない。ランキングには、年収額と併せて、PBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資本利益率)、時価総額も掲載しているので、それらに「見合う年収」を得ているかどうかの判断の参考にしてほしい。今回対象としたのは電機業界だ。
では、電機業界で「年収1億円以上」の経営幹部で、従業員の年収と格差が大きいのは誰なのか?
トップはルネサスエレクトロニクスのサイレシュ・チッティペディ執行役員で、なんと一般従業員の241倍以上の年収をもらっていた。他業界では従業員との格差の倍率が50倍はおろか、20倍程度が多数ということも珍しくないが、電機業界は50倍以上の幹部だけで13人もいる。格差の大きい業界なのだ。
ルネサスエレクトロニクス、東京エレクトロン、フェローテックホールディングス、日立製作所、SEMITEC、キヤノン、堀場製作所、ソニーグループ、フクダ電子、ファナック、富士通、ミネベアミツミ、アドバンテスト、スタンレー電気、MCJ、パナソニック ホールディングス(HD)といった企業の幹部たちの年収は幾らで、従業員の何倍をもらっているのだろうか。次ページで実名と共に一挙に見ていこう。