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China Report 中国は今

日中間に懸案山積のなか進む若者の中国語離れ
今こそ草の根ダイレクトコミュニケーションが重要

姫田小夏 [ジャーナリスト]
【第132回】 2013年8月30日
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 「『今、何のために、中国語を学ぶか(教えるか)?』ということを、より真剣に考えているこの頃です」――先日、そんなメールを頂いた。

 送り主は高校生や、大学の第二外国語選択の学生を対象に中国語を教える講師のAさん。ムリもない。昨今は世間で進む「中国離れ」が、学生の「中国語離れ」に大きく連鎖しているのだ。実際に、Aさんが教える高校でも昨年、中国語を選択する学生が大幅に減った。

 中国語といえば、つい最近までは英語に続く「必須の言語」でもあった。2年前、週刊ダイヤモンド新春号で「今年こそ 英語&中国語」を特集したように、中国語を攻略することがビジネス成功のカギだと受け止められていた。だが、今、学生は自分のキャリア設計に中国語をなかなか取り込めないでいる。

ほんの数年で激変
教育現場での中国語のポジション

 ひと昔前なら、中国語をやれば自分の未来もそこそこ開けた。中国語をマスターしたおかげで事業を成功に導いた例もある。だが、最近は「中国語が若い学生たちに与えられる夢がなくなってしまった」とAさんは語る。

 「英語以外の外国語」を授業として導入する全国の高校はおよそ2000校。うち、「中国語」の授業を開設する高校は831校もあったという(2009年時点)。にもかかわらず、日中間の領土を巡る言い争いを発端にした対中感情の悪化は、確実に学生たちのモチベーションの低下をもたらしている。

 これには、学校側にも無視できない要因がある。高校の第二外国語は学校行事で潰れることが多く、たかだか週1回2コマ程度の授業では十分に力を伸ばすことができないという壁に突き当たる。これは、長年にわたって日本の第二外国語が抱えてきたジレンマでもある。

 また、大学では別の事情がある。都内の某私大では、こんな発言がまかり通っていた。

 「相手はお客さんなんだから、やり過ぎないでくれ」――。

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姫田小夏 [ジャーナリスト]

ひめだ・こなつ/中国情勢ジャーナリスト。東京都出身。97年から上海へ。翌年上海で日本語情報誌を創刊、日本企業の対中ビジネス動向を発信。2008年夏、同誌編集長を退任後、「ローアングルの中国・アジアビジネス最新情報」を提供する「アジアビズフォーラム」主宰に。語学留学を経て、上海財経大学公共経済管理学院に入学、土地資源管理を専攻。2014年卒業、公共管理修士。「上海の都市、ビジネス、ひと」の変遷を追い続け、日中を往復しつつ執筆、講演活動を行う。著書に『中国で勝てる中小企業の人材戦略』(テン・ブックス)、共著に『バングラデシュ成長企業 バングラデシュ企業と経営者の素顔』(カナリアコミュニケーションズ)。

 


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90年代より20年弱、中国最新事情と日中ビネス最前線について上海を中心に定点観測。日本企業の対中ビジネスに有益なインサイト情報を、提供し続けてきたジャーナリストによるコラム。「チャイナ・プラス・ワン」ではバングラデシュの動向をウォッチしている。

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