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企業の海外進出に際し、
業務システムはどうすればよいのか

――グローバル経営の根幹を担うITの課題

土屋 勝
【第22回】 2013年9月10日
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欧米、中国や東南アジア、あるいは中南米やアフリカと、日本企業がさまざまな地域に進出を加速している。言うまでもなく、日本国内は人口減少・高齢化や長期にわたる不景気など、企業の発展が難しい時代が続いているからだ。とくに今後は、中堅中小企業でも海外への展開が求められる。まさに社運をかけて海外拠点を設けるところもあるだろう。しかし、海外進出にはさまざまな課題、乗り越えなければならない問題点がある。重要なテーマの1つが、国際的な業務システムの構築である。企業の海外進出支援に詳しい、SAPジャパンの中村龍太郎氏に聞いた。

海外拠点の立ち上げには
「低予算」「短納期」「現地対応」が求められる

SAPジャパン・エコシステム&チャネル統括本部 E&Cプログラム本部 SBCプログラム・シニア・スペシャリスト 中村 龍太郎氏

 「新規に海外拠点をスタートするとき、潤沢な予算は期待できません。何しろまだ売り上げが立っていないわけですから、どれだけ儲かっているの? ということになります。予算は少ない一方で、システムを早く立ち上げることが要求されます」(中村氏)

 予算がないことも理由の一つだが、本社で使っているような本格的な業務システムを海外現地に持っていくのは難しい。業務システムを海外拠点に持ち込むには、少なくともその国の言葉、税制、法制度に合わせてカスタマイズをしなければならない。そもそも数名~数十名でやっているような小さな拠点に本社用システムを無理して導入するのは無駄が多い。それに海外展開ではスピードも要求される。海外拠点の立ち上げに許されるのはせいぜい数カ月から半年。1年かけてのんびりやっているような余裕はない。

 なかには海外でサポートを展開しているベンダーもいる。ところが、海外サポート拠点が突然閉鎖される、他国に集約されるというケースも起きているという。

 「例えばあるユーザー企業は、シンガポールに販売拠点を設立するので現地に拠点を持つベンダーのシステムを導入したのですが、そのベンダーは導入後しばらくしてシンガポールから撤退し、サポートを他国に集約したという例があります。導入システムをサポートできるのはそのベンダーの他にはいなかったため、ユーザー企業はタイやマレーシアなどからリモートサポートを受ける他なくなってしまいました。これでは海外進出したユーザー企業の現場業務で混乱が起きてしまいます」(中村氏)

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