元リストラ事業部長が再び提言
「部下をうつにするマネジメント」とは
連載第7回「未来ある20代社員80人が涙した壮絶リストラの内幕 元事業部長が懺悔する『追い出す側』の奔放な論理」は、読者から大きな反響を得た。
かつて中堅広告代理店(正社員数600人)に在籍し、会社の命令で若手社員の大量リストラを行った元事業部長のA氏(46歳・男性)に対するインタビューをまとめたものである。
読者の感想の中で多かったのは、意外にもかつてA氏が在籍した企業にいた、経験の浅い若手マネジャーたちが、20代の部下を次々とうつ病に追い込んでいったエピソードついてのものだった。
そこで再びA氏に取材し、「若手の部下をうつ病にするマネジメントの現状と課題」を詳しく聞いた。A氏の指摘は日本の多くの職場に見られることであり、示唆に富んでいる。より詳しく事実を伝えるため、前後半の2回に分けてお送りしたい。今回が前篇で、次回(第10回)が後編である。
また、筆者とA氏とのやりとりについても、よりニュアンスを正確に伝えるため、インタビュー形式とした。取材の内容は、実際に話し合われたことの約9割を載せた。1割は、会社などが特定でき得る可能性があることから省略した。
当時、A氏はリストラの最前線で20代の社員80人ほどから辞表を受け取った。その会社を数ヵ月前に退職し、来年からは大手広告代理店の関連会社(社員数500人)に役員として迎え入れられる予定だ。