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「デジタルな日常」を生きる

「学び」と「デジタル」を
近づけるべきか、遠ざけるべきか

松村太郎 [ジャーナリスト・著者]
【第2回】 2013年9月6日
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 8月の終わり、筆者は、普段暮らしている米国を離れ、東京と長野に滞在していたが、本当に暑い夏だった。

 そんな夏に、Twitterの画像が問題となる事件がたくさん起きていたことに驚いた。おそらく暑かったのだろう。しかし当たり前だが、商品(食品)が入った冷蔵ケースに入るのは、いいわけがない。さらに写真で撮影しTwitterに投稿してしまったのだ。これによってお店が閉店となったり、機材を交換したり、実際に店舗に損害を与え、いたずらの主が損害賠償を負うケースも出てきた。

 周囲のTwitterユーザーやメディアが過剰に反応しているという側面もある。あるいは「若気の至り」で片付く話だったかもしれない。

 しかし誰がやったかが記録され、そのときにどんな状況だったのか、どのように広まったのか、まで、Twitter上で克明に明らかになっている点は、一昔前のいたずらと違う。まさに、前回ご紹介したデジタル・タトゥーの弊害であるが、100年後に嘲笑される話ではなく、数時間後に大問題になってしまうという、テンポの速い話だ。これは弊害というより、その人にとって実害になってしまった。

 そうしたやんちゃをTwitterに流したとき、何が起きるのかを教えられる人はいなかったのだろうか。あるいは、想像することはできなかったのだろうか。失敗して覚えるということもあるが、その失敗に1000万円の損害賠償がついては割に合わない。

「子どもをネットから
遠ざけなければならない」?

 Twitterでの炎上問題に加え、ネット依存やLINEいじめなど、ネットやケータイなど、デジタルサービスや機器に関する問題には事欠かない。大抵のヒットした新しいサービスには、「依存」や「いじめ」などの言葉が付けられネガティブに報じられる。しかしふたを開けてみれば、課金超過や情報発信ツールでの問題、コミュニケーションの問題などが中心だ。

 時代ごとにツールが変わっても、問題の中身には大きな違いはない。裏返せば、ツールの違いを吸収するような大枠の考え方を伝えることで、これらの問題が大きくなることを防げるのではないか。

 こうした問題について、ある高校の校長先生と議論する機会があった。その席で校長は、口をつくように「子どもをネットから遠ざけなければならない」と語っていたのが印象的だった。

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松村太郎[ジャーナリスト・著者]

まつむら・たろう/1980年生まれ・米国カリフォルニア州バークレー在住のジャーナリスト・著者。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。近著に「スマートフォン新時代」「ソーシャルラーニング入門」など。

 


「デジタルな日常」を生きる

スマホ、SNSなど、毎日の暮らしに欠かすことのできなくなったネット環境とデジタルツール。その一方で、セキュリティやプライバシーの問題、ツールへの依存、ネットコミュニティとの関わり方など、日々新たな問題が現れ、状況は変化している。私たちは「デジタルな日常」をどう生きていけばいいのか、米国シリコンバレー在住の記者が、生活者の目線で解説する。

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