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認められたい私、認めてくれない社会~「承認不安時代」の生き方~

なぜお父さんは犬になったか
「家族」から唯一無二の絆が失われつつある理由

梅田カズヒコ [編集・ライター/プレスラボ代表取締役]
【第3回】 2013年9月11日
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「強迫観念にとらわれたかのようにメールの返信を急ぐ人」、「せっかく一流企業に入ったのに辞めて、所得を減らしてでも自分らしい職場を探す人」……。一見不可解な現代の若者に特徴的なこれらの行動。こうした行動に駆り立てる原因を探っていくと、彼らの「認められたい」という思いに行きつくことが少なくない。現代において若者を悩ませる最大の問題は、経済的不安ではない。「認められない」という不安なのだ。

一方で、若者でない世代も含めて、日本に蔓延する閉塞感の正体を探る意味でも「承認」、さらに「承認格差」は、大きなキーワードだと考える。この連載では、経済的な格差に苦しむよりも深刻かもしれない、「“認められない”という名の格差」を考えていこうと思う。

前回のテーマ「結婚」と「承認」に対する
Twitterでの反応

 さて、この連載は、なんだか不安に襲われやすい、承認が満たされにくい現在の世の中で、一体何が起こっているのか探ることを主旨としているのだが、前回は、「市場競争化する結婚」と、それが生み出す現代の「承認格差社会」について書いた。そして、たくさんの反響をいただいた。

 いくつか重要な指摘をTwitter上でいただいたが、そのなかでも印象的だったのが、「会社が担ってきた、結婚相手探しがなくなったのが痛い」というコメントだった。要は、結婚相手探しを代行してくれる“おせっかい”が減った、それゆえに、結婚の市場競争化が加速しているというのだ。

 “おせっかい”な親戚、上司が減った一方で、多額の費用を支払わなければならない結婚紹介所や、ネットを介した出会い系サイトなど、明らかにビジネスで結婚を仲介する業者が台頭してきているのは、結婚の市場競争化を考える上で重要な問題だ。このテーマについては、いつかまた機会を改めて論じたい。

“濃密な関係性”から“個人”へ
家族はなぜバラバラになったか

 さて、今回は結婚の先にある、「家族」について考えてみようと思う。我々にとって家族とは、最小単位の社会であり、それゆえに親密な相手から得られる「承認」の1つである「親和的承認」(※1)を得られる数少ない相手である。ゆえに、承認(あなたでいいんだよ、という救い)を考える上で、家族が担ってきた役割と、それが時代の変化でどう変わってきているかを考えることは、重要なことだ。

 今回もまた結論から書こう。「家族」は今、濃密な絆を持ったコミュニティではなくなり、人によっては空虚な存在になりつつある。この記事を読んでくださっている方々も、何となく感覚では理解できるのではないか。

(※1)前回前々回の記事参考。

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梅田カズヒコ [編集・ライター/プレスラボ代表取締役]

ロスジェネ世代(1981年生)の編集・ライター。フリーライター、編集プロダクション勤務を経て2008年より株式会社プレスラボを起ち上げる。著書に『エレベスト』(戎光祥出版)。web上のニュースサイト「下北沢経済新聞」編集長。「GetNavi」(学研)誌上で『コンビニ研究室』連載中。他に「日経トレンディネット」「COBS ONLINE」「R25」「サイゾー」など主にネット媒体で執筆中。起業したのは旺盛な独立心と言うよりも、むしろサラリーマンの職場における煩わしい人間関係から逃げるため。
ツイッター:@umeda_kazuhiko


認められたい私、認めてくれない社会~「承認不安時代」の生き方~

「強迫観念にとらわれたかのようにメールの返信を急ぐ人」、「ランチを一緒に食べる友達がいないと思われるのがイヤで、トイレでご飯を食べる人」……。オジサンには一見不可解な現代の若者に特徴的なこれらの行動。こうした行動を駆り立てる原因を探っていくと、彼らの「認められたい」という思いに行きつく。この連載では、「承認」をキーワードに、特に若者の間で広がる現代社会の生きづらさの正体を考える。

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