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市場が縮み、アナログ無線の完全廃止も迫る
――多難なタクシー業界で、配車アプリは救世主となるか?

待兼音二郎
2013年9月18日
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 いっぽう、利用客がスマホのGPS機能を利用して現在地にタクシーを呼べるアプリも普及しつつある。その筆頭格は、日本交通(タクシー3659台の都内最大手)のグループ会社が開発した「全国タクシー配車」だ。以前に本連載でも紹介したが、現在では全国45都道府県の100グループ、タクシー2万台で利用可能となっている。

 このアプリはクラウドベースであるため、自社でシステムを構築する場合の「10分の1以下」の初期費用で導入でき、あとは1台配車あたりの手数料がかかるだけという。もっとも、導入先には地方の代表的なタクシー会社が目立ち、小規模な事業者にとっては、たとえ10分の1以下の費用負担でも導入が厳しいようである。

会社に関係なく、1つのアプリで
近くのタクシーを呼べるアプリも登場

 そんななか、タクシー事業者も無料で使えるという配車アプリが登場した。横浜市のWebシステム・アプリ開発企業であるオンラインコンサルタントが提供する「タクシー検索 たくる」で、2013年8月末の更新により、β版ながら利用者が空車を呼ぶ機能を実装した。事業者からシステム費用を取らず、広告収入で運営する仕組みである。

 このアプリでユニークなのは、タクシー会社丸ごとではなく、ドライバー単位で登録台数を増やそうとする営業手法だ。

 タクシー会社に導入を呼びかけても、「既存システムとの併用が大変」「乗務員が高齢だからスマホは使えない」「古い業界だから変えられない」という反応ばかり。しかし、ドライバーを見渡せば中には意欲的な人もいる。そこでターゲットを切り替えたという。

 「たくる」のドライバー向けアプリには、業務日誌マップ・運転日報の作成や、上限のある拘束時間の記録ができる機能もあり、空車/実車をスマホの「音量ボタン」で切替可という、運転実態に配慮した工夫もある。しかも無料とあってドライバーに好評だ。

 「タクシー会社でなければ配車アプリの開発は難しいという意見もありますが、大手企業はライバル同士が別々のアプリを展開していて、利用者にとっては会社ごとに電話をするのとそう変わらない一面もあります。タクシー会社に依存しないインフラの方が、利用者にメリットがあると考えました」(オンラインコンサルタント・テクニカルソリューショングループの齊藤公一氏)

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