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アップルは成長の限界を破れるか?

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第297回】 2013年9月25日
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新型iPhoneの静かな売り出し
新参入のドコモは旬を逃した

 9月20日に新型のiPhoneである、iPhone5sとiPhone5cが売り出された。今回は既存のソフトバンク、KDDIに加えて、NTTドコモがiPhoneを売るということで大いに注目されていたが、どうやら期待よりも静かな滑り出しのようだ。

 廉価版の5cはともかく、5sは当初品薄になるのではないかと予想する向きもあったが、行列が途絶えてなお在庫のある店が方々にあるようで、これまでのような熱狂的な売り出しではない。

 筆者は、3Gs→4→4s→5とiPhoneを買い換えてきたアップル贔屓のスマホユーザーだが、今のところ5sにはぜひ買い換えたいという物欲が湧いていない。5から5sへの変化としては、カメラの進化や内部処理の高速化(2倍?)などが伝えられているが、「当面5で十分だ」というのが今のところの実感だ。

 今回は、ドコモがついにiPhone販売に参入したことが話題だ。筆者もかつてはドコモの回線でiPhoneを使いたいと思っていたiPhoneユーザーだったが、当初ソフトバンクのiPhoneとドコモのガラケーの2台持ちだったものを、4s発売の際にauに乗り換えて統一し、今や「回線はどこでもいい」というのが実感だ。

 全く新たに携帯を契約したい人は、iPhoneをシェア最大のドコモで買うかもしれないが、「どうしてもiPhone」という人の多くはすでにiPhoneを持ってしまっているので、ドコモの現時点でのiPhone参入は、ドコモの買い換えユーザーが他社のiPhoneに流れることを「止血」する程度の効果に留まるのではないか。

 もっとも、現在のドコモとしては、ともあれ必要な「受けの最善手」なのかもしれないが、経営の問題としては、商品として成長期のiPhoneと率直に向き合わなかったことで大きくシェアを落としたことの責任が問題だろう。

 iモードの成功体験もあって、ハードもサービスも自社の中に囲い込むビジネスモデルにこだわったことが原因だったのだろうが、商売としては明らかに旬を逃した。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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