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野口悠紀雄「日銀が引き金を引く日本崩壊」

銀行の貸出増加は、
住宅の駆け込み需要がもたらしたもの

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第22回】 2013年9月26日
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 マネタリーベースの増加にもかかわらず、マネーストックがあまり伸びていない。つまり、金融緩和政策は、期待どおりの機能を発揮していない。前回、このように述べた。こうなる原因は、貸出が期待どおりに増えないからである。以下では、この状況を見ることとする。

貸出残高が2013年4~6月期に減少

 金融機関の範囲として、ここでは国内銀行をとり、その銀行勘定を見ることとする。

 日本銀行の資金循環統計によって貸出残高を見ると、図表1に示すとおりだ。

 貸出残高は、2011年1~3月期以降順調に伸びてきた。しかし、13年4~6月期では減少した。

 これは、「異次元金融緩和政策によって日本経済が活性化しつつある」という一般に持たれている印象とは、逆方向のものだ。そして、金融緩和政策の評価にあたって重要な意味を持っている。そこで、以下に詳しく分析しよう。

 貸出残高の対前年同期増加額を見ると、図表2のとおりである。11年7~9月期以来プラスで推移してきた。しかも、増加額が増加してきた。

 しかし、対前期増加額で見ると、図表3のとおり、13年4~6月期においてマイナスとなったのである。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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野口悠紀雄「日銀が引き金を引く日本崩壊」

日本銀行が新しい金融政策を決定した。今後2年間でマネタリーベースを2倍に増加させ、消費者物価指数上昇率を2%にするとしている。これを受けて、「円安が進行して輸出が増大する。輸出関連企業の利益が増大し、株価が上がる。日本経済は長く続いた停滞から脱却しようとしている」と考えている人が多い。果たして、この期待は、実現されるだろうか?

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