前編に続いて、ハリス鈴木絵美氏と加藤嘉一氏のDOY対談後編をお届けする。DOYとは「だったら、お前がやれ!」の頭文字。「対案のない無責任な批判はしない」「当事者意識をもって自ら行動を起こす」という意味が込められている。後編では7月に行なわれた参院選でのネット選挙解禁、日本で市民運動が起こる可能性、さらに日本社会が変わるために必要なオーナーシップ(当事者意識)を醸成するにはどうしたらいいのかについて、議論が白熱化した。(取材・構成/ダイヤモンド・オンライン編集部 片田江康男)
参院選を見ていて、
ネットの可能性は少し見えた
加藤 絵美さん、この間の参院選、だれ応援していたの?
絵美 えー、言うの(笑)? 私が応援していた政治家は、民主党の鈴木寛さんで去年からずっとフォローしていた。鈴木寛さんはネット選挙の解禁に関しても積極的で。
今思うと、今回の選挙では東京選挙区に「競争」があった。だから、それぞれの候補はネットをいかに有効に使うかに必死だったし、いろいろな試行錯誤をしていた。そういう意味で、東京選挙区の戦いはとても興味深いものだったと思う。
この「競争」っていうのが、ネットが選挙で活用されるかどうかのポイントだったんだと思う。だって、毎回のように選挙に当選する政治家は、どういう使い方が有効なのか、そもそも確立されていないネットをわざわざ選挙で使わなくたって、ずっと使われていた選挙の戦法で勝てていたんだから。熾烈な競争が起こっていて、どうにか支持を集めたいから、必然的にネットを使おうとなるのが自然だよね。
それから、今回の選挙戦を見ていて、希望を持てた部分もあったよ。たとえば、選挙フェスっていうのがあったんだけど、渋谷のハチ公前に数千人も集まったんだよね。これって、街頭演説をやりますって言ってもなかなか集まらない数だと思う。ネットを使って力を集結させることは、日本でもできるんだって言う可能性を感じる事ができた。政治に対する思いや考えは、みんな少なからず持っているんだなって。