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逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

【特別編】
みずほ銀行、暴力団融資問題に想う
繰り返される事件の背後に潜むもの

江上 剛 [作家]
【第51回】 2013年9月30日
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 突然、「みずほ銀行が暴力団に融資をして、金融庁から業務改善命令を受けたんですが」と多くのマスコミから連絡を受けた。海外取材などで多忙にしていたのでテレビ出演などはお断りしたのだが、みずほ銀行のOBとしては非常に残念でならない。

 ニュースによると、みずほ銀行のグループ会社であるオリエントコーポレーションの自動車の提携ローンに関して、実際の資金を出したみずほ銀行が2年前から融資先に暴力団員が含まれていることを把握しながら放置していたということらしい。金額2億円余り、対象者は230人だ。

 みずほ銀行は、記者会見の要求を拒否したらしく記者からは不満の声が上がっている。

バブル時代に
闇勢力が銀行を浸食

 金融庁は、暴力団組織に融資をしたわけではないといった意味のことを話しているようだし、世間的は、提携ローンなの?大した問題じゃないんじゃない?と言った声が聞こえなくもない。

 銀行と闇勢力と言われる暴力団との関係を振り返ってみよう。

 暴力団やそれらを背景とする総会屋、えせ同和など反社会的勢力と言われる組織や人物に、銀行が本格的に侵食され始めたのは、バブル時代だ。

 1980年代後半から90年代前半にかけて、国内は金余り、金融自由化で競争激化、このような状況の中で銀行は株や不動産に金を貸しこみ始めた。

 その結果、株やゴルフ会員権、土地など資産が暴騰した。背後には銀行から融資を受けた暴力団がいた。彼らが大通りを歩くようにおおっぴらにゴルフ場会員権、企業の株、不動産を買い占めるようになったのだ。さまざまな事件が起きた。不動産の地上げに反対するところにはトラックが突っ込んだり、上場企業の大株主に暴力団関係が名乗りをあげたり……。

 そしてバブル崩壊。彼らに融資をした資金は、不良債権となった。銀行は、なんとか回収しようとした。その時、1994年だったが、住友銀行名古屋支店長が自宅マンションで何者かに銃殺される事件が起きた。その犯人は未だに捕まっていない。

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江上 剛 [作家]

えがみ ごう/1954年1月7日兵庫県生まれ。本名小畠晴喜(こはた はるき)。77年3月早稲田大学政経学部卒業。同年4月旧第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。高田馬場、築地などの支店長を歴任後、2003年3月同行退行。1997年に起きた第一勧銀総会屋利益供与事件では、広報部次長として混乱収拾に尽力する。『呪縛 金融腐蝕列島』(高杉良作・角川書店)の小説やそれを原作とする映画のモデルとなる。2002年『非情銀行』(新潮社)で作家デビュー。以後、作家に専念するも10年7月日本振興銀行の社長に就任し、本邦初のペイオフを適用される。


逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

作家・江上剛氏は、その人生で2回も当局による強制捜査を経験した。その逆境にあって、心を支えくれたのが、「聖書」「論語」「孫子」などの古典の言葉である。ビジネス界に身を置けば、さまざまな逆風にされされることも多い。どんな逆境にあっても、明るく前向きに生きる江上剛氏が、柔術ならぬ“剛術”で古典を読み解き、勇気と元気の“素”を贈る。

「逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―」

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