旬を楽しみ、身体が喜ぶ 江戸料理
【第57回】 2013年10月11日 車 浮代

江戸後期以降の飢饉を救ってきた「馬鈴薯《じゃがいも》」
伝来から普及までには約200年もの歳月が

 じゃがいもが初めて日本に渡来したのは、織田信長が安土城に居城を移した、天正4年(1576年)のことだと言われています。当時は「南京芋」と呼ばれており、同じ頃長崎に、玉蜀黍《とうもろこし》や西瓜《すいか》、南瓜《かぼちゃ》の種子も渡って来ました。

じゃがいもと油揚げの炒め煮
【材料】じゃがいも…中2個/油揚げ…1枚/蚕豆(または枝豆)…50g/胡麻油…小さじ2/水…適量/酒…大さじ1/砂糖…大さじ1/みりん…大さじ1/醤油…大さじ3
【作り方】①じゃがいもは洗って皮を剥き、乱切りにする。油揚げは縦半分に切ってから、1cm幅の短冊切りにする。蚕豆はさやごと電子レンジに3分かけ、皮を剥く。②鍋を熱して胡麻油をなじませ、中火でじゃがいもを3分程度炒めたら八分目程度の水を加え、油揚げを加えて15分程度煮る。③②に蚕豆を加え、酒と砂糖を入れて5分煮てから、醤油とみりんを加えて汁気がなくなるまで煮る。

 薩摩芋《さつまいも》が我が国の文献に登場するのが1705年のことなので、じゃがいもは100年以上も早くお目みえしていたことになります。

 それなのに、じゃがいもは観賞用に花が愛でられていただけで、江戸後期に食用として栽培されるようになるまでには、約200年もの歳月を待たねばなりませんでした。

 江戸時代に刊行された主だった料理書にも、じゃがいものレシピは見当たりません。

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旬を楽しみ、身体が喜ぶ 江戸料理

栄養価の高い旬の食材を、あまり手を加えずにいただく――。これが江戸料理の醍醐味であり、健康長寿につながる正しい食のあり方だと思います。このコラムでは、江戸料理と健康をテーマに、食材ごとの情報とレシピをご紹介していきます。

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