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問題解決のためのコンサルタント脳のつくり方
【第15回】 2008年4月7日
著者・コラム紹介バックナンバー
塩野 誠 [コンサルタント]

気づかいと合理的な判断が「信用のバケツ」を満たす
交渉力を磨く PART(4)

 交渉する相手とは信頼関係がなければ交渉はできません。最初から人を騙してやろうと考えている人と合理的な取引は難しいものです。実際には交渉相手との信頼は交渉の過程で醸成していくことが多いことでしょう。

 例えて言うならば、自分と交渉相手が「信用のバケツ」を持っているような状態になります。交渉において相手の立場に立った発言をし、合理的な判断をお互いにすることによって、最初は疑心暗鬼な関係だとしても、お互いの「信用のバケツ」の中に「信用」が少しずつ貯まっていくのです。

 非常に悪い例ですが、詐欺師と呼ばれる人達はこうした信用の積み重ねを悪用します。たとえば、借金の踏み倒しや結婚詐欺を行う人は、詐欺を働く相手に小銭程度の小さな借金をきちんと返すことによって、少しずつ信用を勝ち取り、そのうち大きな金額を騙すのです。

 もちろんビジネスにおいて、少しずつ信用させて、突然騙すというようなことは絶対にやってはいけないことです。一度でもそういうことをすると、もう二度とビジネスはできなくなりますし、そうした悪い噂はすぐに広まります。プロフェッショナルはどんなに賢くとも、そのような行為は慎むべきです。

 なかには自分は賢いので他の人を騙してもよいと思っている人もいますが、その人は高い職業意識を持ったプロフェッショナルではありません。

 また余談ではありますが、外見も重要です。私がいたコンサルティング会社では当時はダークスーツに白いシャツ、黒のオーソドックスな靴といった服装が奨励されていました。これはコンサバティブな外見によって信頼感を得るためだと思います。実際のところ、若くしてプロフェッショナルであろうとするならば、コンサバティブな服装が無難です。奇抜な格好をしても信頼を醸成できるだけのスキルやキャラクターが自分にあると思われる方は、自分の道を行くのがよいでしょう。ただし外見による最初の印象は、あなたが思っているより重要です。

 信用は一瞬にして失うことはできても、なかなか得ることは難しいものです。一方で「信頼できるな」と思った相手とロジックで戦う交渉は、知的ゲームとして楽しいものですし、そうした相手とはまた取引をしたくなります。

 私は、ある案件で交渉相手だった弁護士が優秀で信頼できる人だと思ったので、他の案件で自分側の弁護士としてお願いしたことがあります。


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■交渉相手の信頼は小さなことから徐々に積み重ねていくことを忘れない

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塩野 誠 [コンサルタント]

1975年生まれ。シティバンク銀行、ゴールドマン・サックス証券、べイン&カンパニー等で事業戦略の立案や実行、M&A・投資業務等を担当。現在は非営利団体である企業価値戦略研究会に所属。その活動とともにコンサルタントとして国内外の企業に対し幅広い提言と講演を行っている。


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