「頑張っているのに、結果がついてこない」「必死に仕事をしても締め切りに間に合わない」同僚は次々と仕事を片付け、成果を出し、上司にも信頼されているのに、「なんでこんなに差がつくんだ……」と自信を失ったとき、どうすればいいのでしょうか?
ビジネススキルを発信するTikTokのフォロワーが20万人を超え『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の著者である「にっしー社長」こと西原亮氏に教えてもらった「超優秀な人が秘かにしている仕事のコツ」を本記事で紹介します。(構成/ダイヤモンド社・林拓馬)

社長は従業員のために「自己犠牲」すべきなのか?
社長としてキャリアを積んでいく中で、やめたこと、そして変化させた考え方がいくつかあります。
振り返ると、それらは自分にとってとても大きな意味を持っていたと感じています。
まず一つ目は、「自己犠牲」をやめたことです。
牛乳屋を継いだ頃、自分の給料を月に8万円にしたことがありました。
本当にそういうことをやっていたんです。社員のみんなの給料を優先したい、まずそこを最優先にしたいという思いから、自分は実家に住んで最低限の生活をしながら働いていました。
「自分の報酬は少なくていいから、従業員の待遇を良くしたい」という考えです。
でも、それを続けるうちに、どうしても「自分はこれだけしかもらってないのに、なんでこの人たちはこんなにもらってるんだ?」と、どこかでいやらしい気持ちが芽生えてしまうようになったんです。
そのとき思ったのは、「やっぱり人生の主人公は自分だ」ということ。
まずは自分の生活をある程度しっかり整えないと、人に優しくなることはできません。
私は人間が小さいからかもしれないけど、それを強く実感して、自己犠牲を美徳とするのをやめました。
最初は「自己犠牲こそが正しい」と信じてやっていたけれど、最後には「俺だってお前らのためにやってんだよ」と思わず言いたくなってしまうような、苦しい状況になっていたのです。
だからこそ、まずは自分がちゃんと報われる状態を作るべきなんだと気づいたんです。
二つ目は、「自分の能力と他人を比較すること」をやめたことです。
以前は常に「これくらい普通できるでしょ?」という基準で周囲を見ていました。
自分ができることを前提に、社員や仲間の能力を測ってしまっていたんです。
牛乳屋さんに入ってきた社員たちの能力を、無意識にずっと自分と比べていたのです。
でも、社員はそれぞれ背景も違えば、得意な分野も異なる。
私よりできることを持ってる人たちはたくさんいる。
だから、今では「その人が一番得意な領域を任せればいい」という考え方にシフトしています。
「自分だったらこのくらいはできる」という前提で人を見るのは基本的にやめました。
三つ目は、「安易なイエス」をやめたことです。
以前は人から誘われるとすぐに「はい」と答えてしまっていました。
でも、それって実は思考停止なんですよね。誰かからの提案って、まるで波のように押し寄せてくるもので、それにそのまま乗ってしまうだけでした。
でも本当は、一番難しいのは「ノー」と言うことです。
誰かが「行きませんか?」と聞いてきたときに、「嫌です」と返すのって、すごくストレスがかかります。
でも、その「ノー」が言えないと、自分の時間はどんどん失われていってしまう。
もちろん、「ノー」を言い続けていると、コミュニティから距離ができてしまうかもしれないという怖さもあります。
でも、例えば気乗りしない飲み会に安易に「イエス」と言って参加してしまったあとって、ものすごい喪失感に襲われるんです。
「あぁ、なんで行ったんだろう」って。だからこそ、「ノー」を言う勇気を持つことも大事だと思うようになりました。
この三つ
①自己犠牲をやめること
②他人との比較をやめること
③安易なイエスをやめること
を通じて、ようやく自分の人生の時間をちゃんと取る、という感覚が芽生えてきた気がします。
これからも意識して実践していきたいと思っています。
(本記事は『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の著者、西原亮氏が特別に書き下ろしたものです)