ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
エコカー大戦争!

グーグルだけが脅威じゃない!
このままでは日本が「自動運転」で勝てない理由

桃田健史 [ジャーナリスト]
【第165回】 2013年10月25日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage
ITS世界会議東京大会で講演する、グーグルのロン・メッドフォード氏。画面の車両は、レクサス「RX」を使用した同社の自動運転実験車両 Photo by Kenji Momota

技術詳細、事業構想はノーコメント
グーグルは何をしようとしているのか?

 2013年10月15日午前11時、東京ビッグサイト会議棟6階、インターナショナル・カンファレンス・ルーム。ITS世界会議の初日、エグゼクティブセッションのキックオフは「自動運転車の実用化に向けて(Autonomous Vehicle-the Path to the Implementation)」だった。

 参加者は日本自動車研究所、グーグル、コンチネンタルジャパン、そしてフランス国立情報学自動制御研究所の関係者だ。このなかで、会場に集まった人々が最も注目していたのは当然、グーグルだ。なぜなら、同社が現在、米ネバダ州とカリフォルニア州で、トヨタ「プリウス」やレクサス「RX」を使用して実施中の自動運転技術について、日本で情報公開されることは稀だからだ。

 しかし、今回のグーグルのプレゼンは“期待ハズレ”だった。登壇したロン・メッドフォード氏(Director of Safety Self-Driving Car)が用意したパワーポイントファイルの内容は実にシンプルで、技術詳細は全くなかった。また、具体的な将来の事業構想についても全く触れなかったからだ。さらには、司会の「Car-Smart News」編集長ゲラルド・コノーバー氏(PRC AssociatesのManaging Director)が突っ込んだ内容の質問をぶつけても、メッドフォード氏の回答は極めて抽象的だった。

 そうしたなか、同セッションの開始直前と終了直後、筆者はメッドフォード氏と立ち話をした。そこで同氏は商品化の目処について“5年程度”という筆者の予想に同意した。また、その3日後、同氏はNHKのインタビューに対して「4年以内の実用化を目指して開発中」と答えている。

 実はメッドフォード氏、今年1月にグーグルに入社したばかり。前職は米国の自動車安全規定を統括する、米運輸省道路交通安全局(NHTSA)の副局長だった。この天下り的な転職こそ、グーグルの自動運転商用化に向けた本気度の高さを示している。

 では、グーグルは自動運転で何を「商売の種」にしようとしているのか?

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR


おすすめの本
おすすめの本
好評発売中!
「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」

ハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車の共存でビジネスモデルは混沌!トヨタ、ホンダ、日産、三菱など日本メーカーは世界で勝てるのか?年間飛行機移動時間が最も長い日本人自動車ジャーナリストが世界のエコカー事情を徹底取材。市場・インフラ、技術、政策、各社の戦略を詳細かつヴィヴィッドにレポート!

話題の記事

桃田健史 [ジャーナリスト]

日米を拠点に世界各国で自動車産業の動向を取材するジャーナリスト。インディ500、NASCARなど米国レースにレーサーとしても参戦。自動車雑誌に多数の連載を持つほか、「Automotive Technology」誌(日経BP社)でBRICs取材、日本テレビでレース中継番組の解説などを務める。1962年生まれ。著書「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」好評発売中


エコカー大戦争!

「エコカー=日本の独壇場」と思っているとすれば、それは大間違いだ。電気自動車、ハイブリッド車を巡る市場争奪戦はこれからが本番。日本は序盤戦を制したに過ぎない。世界規模の取材でエコカー大戦争の行方を探る。

「エコカー大戦争!」

⇒バックナンバー一覧