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デジタルでも“モギれる”
紙の回数券のよさを残したアプリが登場

待兼音二郎
2013年11月13日
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モギー代表取締役の佐藤悠太氏。紙と同じように“モギる”ことを通じて、店員と利用客に自然なかたちでコミュニケーションが生まれるのも、moggyの魅力だと語る

 さらにユニークなのは、店員が利用客からスマホを受けとり、“モギり”を店側で行うことだ。おかげで、不正防止のために認証手順を過度に複雑にせずに済むし、店舗に読み取り端末を用意する必要がないという、さらに大きなメリットもある。

 回数券の発行元は大手企業だけでなく、個人経営店の場合も多い。専用端末が要らなければ設備投資の必要もなく、導入のハードルが下がるばかりか、手狭な帳場を端末が占有することもない。店舗側の負担となるのは、初期費用4980円(現在、無料キャンペーン実施中)と、Web発行する回数券/クーポン券販売額の20%。決して安い手数料ではないが、紙の回数券とは違ってWebサイトやSNSで幅広い層に告知できることや、ユーザーの現在地情報を元に「使えます」とリマインドして来店を促がせることは、たしかに紙にはないメリットだ。

 とはいえ課題は、moggyを利用できる店舗がまだまだ少ないこと。この種のサービスは、ひとつのアプリでどこでも使えるのが望ましい。moggyを模倣した同種のサービスが乱立して、店舗ごとに別々のアプリが必要では、ユーザーメリットも少ない。

 先行するモギーでは「開発にはかなりの費用と人手をかけていますし、当社ならではのノウハウも詰まっています」(代表取締役の佐藤悠太氏)とのことだが、広く普及するためには、たとえばコンビニ大手の店舗でmoggyが使えるなどのきっかけが必要だろう。

専用端末がいらないメリット

 もっとも、そうした横展開の動きはすでにある。コンサートなどのチケットをスマホで持ち歩ける「Smart e+」というサービスで、会場でのチケット確認にmoggyの“モギり”システムが使われているのだ。

 「会場に読み取り端末を設置せずに済みますし、紙のチケットならモギられた半券を受け取って終わりですが、moggyならプラスαの楽しさを追加できます。たとえばmoggyで入場した人には、コンサート終了後の楽屋の様子がアーティストのメッセージつきでスマホに届くなど、そんな仕組みがあれば楽しいですよね。ユーザーエクスペリエンスをいかに楽しくするのかもmoggyのミッションです」(モギーの佐藤社長)

 使い慣れたスマホの“フリック”で回数券をモギるアクションを実現したモギーの操作感は楽しい。これからは、店舗でこのシーンが多く見られるようになるかもしれない。

(待兼音二郎/5時から作家塾(R)

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