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投資ファンドはどこに向かうのか 保田隆明

佐山展生氏に聞く
投資ファンドの今日的意義 【前編】

保田隆明 [神戸大学大学院経営学研究科准教授、昭和女子大学非常勤講師]
【第2回】 2007年11月6日
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GCAホールディングス代表取締役の佐山展生氏に、自社の戦略と投資ファンドの日本企業にとっての意味、また、投資ファンドとの付き合い方についてのインタビューを行った。今回から2回にわたって掲載する。

写真:K.S.
佐山展生氏
佐山展生氏 (GCAホールディングス代表取締役/一橋大学大学院教授)
帝人、三井銀行(現三井住友銀行)を経て、1998年再生ファンド・ユニゾンキャピタル設立。企業再生ビジネスの第一人者として脚光を浴びる。2004年4月、GCA株式会社代表取締役に就任。2005年4月、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授に就任。

――メザニンファンドを立ち上げられましたが、その経緯などを教えてください。

 2005年にアパレルのワールドがMBOを行い、非上場化する案件でGCAはアドバイザーを務めたが、その際にメザニンローンの活用を行ったのがきっかけ。まず、メザニンとは何かから説明すると、企業の資金調達を家に例えると、1階部分が株式、2階部分が銀行ローン。その中間層の中2階がメザニン。

 ワールドの案件は、実質的にそれまでに誰もやったことない100%議決権を社員が保有する形でのMBOだった。MBOのほとんどは、実際は経営陣による買収ではなくて、実質的には買収ファンドによる買収であり、それにマネジメントも少し参加するという形態。しかし、ワールドのMBOは本当の意味での経営陣、社員による買収であり、株式として投資できる金額に自ずと限界があった。10億円のエクイティ・マネーと銀行のシニアローンだけでは総買収金額がまかなえないことが最初から分かっており、メザニンローンの必要性が生じた。

 ただ、当時どこの金融機関も高額のメザニンローンの提供をしたがらず、調達には大変苦労をした。最終的には中央三井キャピタルが出してくれたが、このときにワールドの経営陣が「GCAがメザニンローンを提供する機能を持っていれば、もっと楽でしたね」と言ったのがきっかけで、「じゃあ、うちでメザニンファンドを作ろう」ということでファンドを組成した。

――現在の状況はいかがですか?

 現在2社に投資済みであり、進行中案件が数社ある。10社あまりの機関投資家、大企業年金やメガバンクなどから総額687億円を調達した。いわゆるピカピカの投資家であり、メザニン市場はこれからまだまだ伸びる余地があると思う。

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保田隆明 [神戸大学大学院経営学研究科准教授、昭和女子大学非常勤講師]

1974年生まれ。神戸大学大学院経営学研究科准教授、昭和女子大学非常勤講師。リーマン・ブラザーズ証券(東京/ニューヨーク)、UBS証券東京支店で投資銀行業務に携わる。その後、起業、投資ファンド運用等を経て、10年より小樽商科大学大学院准教授、14年より昭和女子大学准教授、2015年9月より現職。雑誌、テレビや講演で金融・経済をわかりやすく解説する。著書は「あわせて学ぶ会計&ファイナンス入門講座」「実況LIVE 企業ファイナンス入門講座」(ともにダイヤモンド社)ほか多数。早大院商学研究科博士後期課程満期退学。
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投資ファンドはどこに向かうのか 保田隆明

経済・金融分野のエバンジェリスト、保田隆明が、キーパーソンへインタビューを通して、海外と国内の投資ファンドの活動とその影響を検証していく。

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