ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
投資ファンドはどこに向かうのか 保田隆明

ハゲタカでも浪花節でもない、
ファンドビジネス第3の道【後編】

保田隆明 [神戸大学大学院経営学研究科准教授、昭和女子大学非常勤講師]
【第7回】 2008年1月22日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

MKSパートナーズは、日本のファンドビジネスの草分け的存在である。松木伸男代表取締役は、ベンチャーキャピタルからスタートして日本でのファンドビジネスの世界で地歩を築き、日本企業の強みを生かした企業再生でも実績を上げ続けている。日本のファンドビジネスの変遷とその特徴についてお話を伺った。今回はその【後編】です。【前編】はこちら

今の日本の状況は
25年前のアメリカに酷似

松木伸男氏(MKSパートナーズ代表取締役)
松木伸男氏(MKSパートナーズ代表取締役)トヨタ自動車販売、外資系ベンチャー・キャピタル代表取締役を経て、2002年MKSパートナーズ設立、代表取締役社長就任。バイアウト投資における日本の業界でのパイオニア的存在として、これまでに数件の大型案件を手がけており、その実績は国内外の有数の機関投資家からも高く評価されている。

――そもそもファンドを設立した経緯を聞かせてください。

 1982年のトヨタ自動車勤務時代に、担当していたシンガポール市場でトヨタのシェアを飛躍的に伸ばし自分に自信をつけていた頃、取引先から高給での転職の誘いを受けた。その話には乗らなかったが、これをきっかけとして登録したヘッドハンター事務所からベンチャーキャピタル(VC)の職を紹介された。VCについての知識を得るためにシリコンバレーに視察に行きこれは面白いと思った。ただ、日本には魅力的なVCが存在しなかったので、最終的には自分で作ることにした。

 その後、90年代半ばに欧州で活発だったバイアウトを日本でやってみようということでバイアウトファンドを立ち上げた。

――ファンドを立ち上げてからの25年間で、日本企業や日本企業を取り巻く経営環境はどう変わりましたか?

 25年前のアメリカの状況と今の日本の状況は似ていると思う。当時、アメリカでは日本から「1ドルブラウス」がどんどん輸入されてきて、「アメリカの製造業はなくなってしまう!」と大騒ぎしていた。しかし、そんなことは起こらなかった。付加価値をつくっている会社はちゃんと残っている。世の中変わっているにもかかわらず、対応できない企業、産業だけが駆逐されていく。日本の金融機関はその代表例だ。

 現在の日本と中国の関係はこれに非常に似ている。ただ、情報量、スピード、モノ、人の動きが全然違う。しかも、東京-上海は、ニューヨーク-ロスアンジェルスよりも近い。したがって、日本企業の経営者は、上海は国内市場ぐらいに考えて対応していかないといけないだろう。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR


おすすめの本
おすすめの本
保田隆明氏の人気著書「M&A時代 企業価値のホントの考え方」好評発売中!

三角合併が解禁されても、敵対的買収が急増するわけではない。企業が株式市場つきあっていくための、ルールを分かりやすく解説。1680円(税込)

話題の記事

保田隆明 [神戸大学大学院経営学研究科准教授、昭和女子大学非常勤講師]

1974年生まれ。神戸大学大学院経営学研究科准教授、昭和女子大学非常勤講師。リーマン・ブラザーズ証券(東京/ニューヨーク)、UBS証券東京支店で投資銀行業務に携わる。その後、起業、投資ファンド運用等を経て、10年より小樽商科大学大学院准教授、14年より昭和女子大学准教授、2015年9月より現職。雑誌、テレビや講演で金融・経済をわかりやすく解説する。著書は「あわせて学ぶ会計&ファイナンス入門講座」「実況LIVE 企業ファイナンス入門講座」(ともにダイヤモンド社)ほか多数。早大院商学研究科博士後期課程満期退学。
保田氏ブログ

 


投資ファンドはどこに向かうのか 保田隆明

経済・金融分野のエバンジェリスト、保田隆明が、キーパーソンへインタビューを通して、海外と国内の投資ファンドの活動とその影響を検証していく。

「投資ファンドはどこに向かうのか 保田隆明」

⇒バックナンバー一覧