11月30日(土)、12月1日(日)の二日間、東京お台場メガウェブで「モビリティジャム」というクルマのイベント(入場無料)が開催される。この期間に行われる自動車業界最大のイベント、東京モーターショーとは一線を画し、あくまで「ワクワク感のある」「未来志向」を追求したクルマ、ノリモノを展示し、作り手と利用者が直接コミュニケーションできることを目指した、手作りのイベントだ。開催に関わったのは自動車業界の未来と、超高齢化社会に突入した日本に本当に必要なノリモノは何かを考える有志たちだ。前編に続き、後編でもイベント開催に関わったキーマンたちの声を紹介する。(文/伊藤慎介)
日立オートモティブシステムズ担当部長山本立行氏
「未来のクルマを作るには、いまのつくり方では限界がある」
明治大学工学部機械工学科卒業後、1981年4月日産自動車(株)に入社。 視覚付き6軸多間接ロボット開発などに参画後1991年に社内公募制により電気自動車開発部署へ異動。セドリックEV、ルネッサEV、ハイパーミニの開発に従事。2001年日立製作所に転籍し、プロジェクトリーダーとしてまとめた『バッテリレス電動4WDシステム』で2003年(第13回)「日経BP技術賞機会システム部門 部門賞」を受賞。現在同社にてモータでノリモノを意のままに操る楽しさと深さを探求中。モビリティジャムには個の信念を磨き、組織を動かし、社会への提案力を強めていく『公私混合』活動の試金石として取り組む。
山本立行氏は、日産自動車が1999年に発売した2人乗りの電気自動車「ハイパーミニ」のプロトタイプを企画・開発した自動車エンジニアである。ちなみに、ハイパーミニは量産型電気自動車として、世界にさきがけてリチウムイオン電池を搭載したことでも有名である。
山本氏は2001年に大手自動車部品メーカーの日立オートモティブシステムズ(当時商号は(株)日立製作所 自動車機器グループ)に転籍し、自動車メーカー向けの電動部品の設計・開発を行ってきた。今回のモビリティジャムでは、山本さんが企画・設計して電気自動車に改造された「白いスポーツカー」と「黒のコンパクトカー」が展示される。
東京モーターショーにも出展する予定の自動車部品メーカーが、なぜモビリティジャムに出展することにしたのだろうか。