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野村克也の【野生の教育論】
【第3回】 2013年12月11日
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野村克也

【第3回】
なぜ、マー君は
「開幕24連勝世界新」を達成できたのか?

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『野生の教育論』を刊行したばかりの野村克也氏(78)に、「連勝記録世界新」で沢村賞受賞、ギネスブックにもその名が刻まれたマー君こと、田中将大投手の躍進の秘密について語ってもらった。

真のエースの条件とは?

野村克也(のむら・かつや) 1935年京都府生まれ。テスト生として南海に入団。1965年、戦後初の3冠王。首位打者1回、本塁打王9回、打点王7回、MVP5回を獲得。35歳で選手兼任監督となり、8年間でAクラス6回、1973年リーグ優勝。ロッテ、西武でプレーし45歳で引退。「野村スコープ」で話題となった9年間の解説者生活を経て、1990年からヤクルト監督。弱小球団の選手たちに闘争心と人間教育を中心とした教養を植えつけ、リーグ優勝4回、日本一3回へ導く。阪神、社会人・シダックス監督を経て、2006年から楽天監督。田中将大を1年目から11勝&新人王に育てる。2009年、球団初のクライマックスシリーズに進出。宮本慎也、稲葉篤紀ら多くのWBC日本代表を育てた。現在、日本体育大学客員教授。 (撮影:荒川雅臣)

 2013年シーズンのプロ野球の話題をさらったのは、なんと言っても「マー君」こと田中将大のレギュラーシーズン開幕24連勝だった。
 私の考えるエースの条件は、大きく言ってふたつある。

 ひとつめは「チームの危機を救ってくれる」こと。
 そしてもうひとつは、常にチームの勝利を最優先し、ほかの選手の手本となるような「チームの鑑である」ことだ。

 今季の田中は、このふたつの条件を完璧にクリアしていた。
 この成長の秘密は、いったいどこにあるのだろうか──。

ピッチャーの安定感をもたらす5つの条件

 ピッチャーの安定感とは、次の5つの条件を満たすことでもたらされると私は考えている。

 第1は、私が「原点能力」と呼ぶところの外角低めを突くコントロール。

 第2は、ほしいときにストライクを稼げる多彩な球種。

 第3は、ゴロを打たせる能力。

 第4は、バッターに「内角を攻めてくるのではないか」と思わせる投球術。

 そして、最後に、守備とクイックモーションの技術、である。

 もともと田中はこのすべてを高いレベルで備えていた。
 ただ、昨年まではどんな状況でもすべてのバッターに力いっぱい投げていた。
 自分の調子、状況、バッターの力量などを総合的に考えながら、臨機応変にメリハリのあるピッチングを組み立てるということができていなかった。

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野村克也(のむら・かつや) 

1935年京都府生まれ。テスト生として南海に入団。1965年、戦後初の3冠王。首位打者1回、本塁打王9回、打点王7回、MVP5回を獲得。35歳で選手兼任監督となり、8年間でAクラス6回、1973年リーグ優勝。ロッテ、西武でプレーし45歳で引退。「野村スコープ」で話題となった9年間の解説者生活を経て、1990年からヤクルト監督。弱小球団の選手たちに闘争心と人間教育を中心とした教養を植えつけ、リーグ優勝4回、日本一3回へ導く。阪神、社会人・シダックス監督を経て、2006年から楽天監督。田中将大を1年目から11勝&新人王に育てる。2009年、球団初のクライマックスシリーズに進出。宮本慎也、稲葉篤紀ら多くのWBC日本代表を育てた。現在、日本体育大学客員教授。


野村克也の【野生の教育論】

楽天監督として、田中将大投手と嶋基宏捕手に1年目から人間教育を中心とした教養と闘争心を植えつけ、2009年に球団史上初のクライマックスシリーズ出場を果たした野村克也氏。その田中将大が今年「連勝記録世界新」を達成。楽天は日本一に輝いた。ID野球など「知力の教育方針」が強調されてきた野村氏だが、野村氏自身、「知性の人」の前に「野生の人」だったという。その真意とはなにか?南海、ヤクルト、阪神、楽天時代の豊富なエピソードをもとに、草食系といわれる選手たちにどうやって闘争心と教養を植えつけたか。このたび、『野生の教育論』を発売したばかりの野村氏が田中将大の「連勝記録世界新」の秘密から
2013年日本シリーズ「楽天vs巨人」の舞台裏を紹介する。

「野村克也の【野生の教育論】」

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