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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

「戦略計画」で必要なのは
われわれの事業は何かという
問いへの答えであり行動である

上田惇生
【第363回】 2013年12月10日
著者・コラム紹介バックナンバー
ダイヤモンド社刊
2100円

 「未来は、望むだけでは起こらない。そのためには、いま意思決定をしなければならない。いま行動し、リスクを冒さなければならない。必要なものは、長期計画ではなく戦略計画である」(『マネジメント──基本と原則[エッセンシャル版]』)

 そこでドラッカーは、「必要なことは、まず戦略計画といえないものを知ることである」と言う。

 第1に、それは、魔法の箱や手法の束ではない。思考である。資源を行動に結び付けるための思考である。それは、「われわれの事業は何か」という問いへの答えとしての行動である。

 したがって、それは意思決定に何かの手法を適用することではない。思考、感性、判断、夢、決意を適用することである。

 第2に、それは、予測ではない。未来の主人になろうとすることではない。そもそも、未来を予測するなどということは不可能である。「戦略計画が必要となるのは、まさにわれわれが、未来を予測出来ないからである」。

 しかも、予測は可能性を見つけようとするものであり、戦略とは可能性を変えようとするものだからである。

 第3に、それは、未来における意思決定にかかわるものではない。現在の意思決定が未来において持つ意味にかかわるものである。問題は、明日何をなすべきかではない。明日のために、今日何をなすべきかである。

 ドラッカーは、時に痛烈である。「われわれは、明日行う意思決定について計画を作成しがちである。楽しいかもしれないが無益である」と言う。意思決定を行うことのできるのは、今日だけである。明日は永遠にやって来ない。

 第4に、それは、リスクをゼロにしたり、最小にしたりするためのものではない。そのような試みは、際限のないリスクと、確実な破滅を招くだけである。

 あらゆるものにリスクがある。特に、経済に関しては、リスクをなくそうとすることは、徒労であるばかりでなく、際立って危険である。

 「戦略計画に成功するということは、より大きなリスクを負担出来るようにすることである。それこそ、起業家としての成果を向上させる唯一の方法だからである」(『マネジメント[エッセンシャル版]』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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