ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
経営のためのIT

【ITで変わる顧客との関係】
ネットとリアルをつなぐ
古くて新しいキーワード「O2O」

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]
【第7回】 2013年12月16日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

Eコマースが台頭して以来、ネット上のバーチャルな世界と店舗などのリアルな世界を連携させ、顧客をより多く集客し、定着させる取り組みは重要視されてきた。しかし昨今では、スマートデバイスやSNSの普及などにより、その手法や実現技術は進化と多様化が進み、あらためてO2O(Online to Offline)というキーワードで注目を集めている。

 O2Oとは、主にEコマースやWebを活用したマーケティングの分野で用いられる用語で、オンラインとオフラインの購買活動が連携し合う、または、オンラインでの活動が実店舗などでの購買に影響を及ぼすことを意味する。

O2Oの取り組みは古くからある

 顧客のオンラインとオフラインにおける購買活動を連携させることで、売上げ増大や顧客のリピート率の向上を図ろうとする取り組みは決して目新しいものではない。Eコマースが台頭した当初の2000年には、チャールズ・シュアブ証券の共同CEOであったデビット・S・ポトラック氏が著書「クリック&モルタル」(翔泳社刊)でこの重要性を説いている。

 これまでも、実店舗を展開する小売業やサービス業などの企業が、電子メールやホームページを活用したオンラインのマーケティング活動によってオフラインの店舗への集客を促進する取り組みや、その逆にテレビCMや交通広告などのオフラインのマス媒体で注目を集め「詳しくはWebへ」といった誘導を行うような取り組みは数多く試みられてきた。

 一般的なマーケティング活動を含めて、顧客との接点の持ち方としての「チャネル」と、実際のビジネス上の収益への結びつけとしての「コンバージョン」という2つの観点から整理分類してみよう(図表1)

 本来のO2Oは、オンライン to オフライン(右上)にあてはまるもので、Webなどのオンラインを用いて顧客に接触し、実店舗への来店といったかたちでオフラインでのビジネスに誘導する手法を指している。

 一方、その逆となるオフライン to オンライン(左下)は、訪問営業、チラシ、店頭対応といった従来のオフラインの手段で接点を持ち、そこからネット販売などのオンライン・ビジネスに誘導するもので、これも広義のO2Oに含める場合が多い。

 一方、オンラインtoオンライン(左上)は通常のWebマーケティングやEコマースの手法、オフライン to オフライン(右下)は従来のマーケティングおよびビジネスの手法であり、これらはO2Oには含まないというのが一般的である。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
IT&ビジネス
関連記事
クチコミ・コメント
facebookもチェック

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。現在は大手ユーザー企業のIT戦略立案・実行のアドバイスおよびコンサルティングを提供する。


経営のためのIT

日々進化するIT技術をどうやって経営にいかしていくか。この課題を、独立系ITアナリストが事例を交えて再検証する。クラウド、セキュリティ、仮想化、ビッグデータ、デジタルマーケティング、グローバル業務基盤…。毎回テーマを決め、技術視点でなく経営者の視点で解き明かす。

「経営のためのIT」

⇒バックナンバー一覧