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堀江貴文のゼロ──なにもない自分に小さなイチを足していく
【第2回】 2013年12月16日
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堀江貴文 [実業家、SNS株式会社ファウンダー]

第2回
[蜷川実花×堀江貴文 対談](後編)
最初の一歩はミニスカートでいい

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堀江貴文さんの『ゼロ』に大きな感銘を受け、いまでは若い学生たちに薦めているという蜷川実花さん。見えないところでの努力を重ね、ここまで懸命に働いてきた2人の目には、最近の若い世代が自信を失っているように映るといいます。そして2人の口から出てきた言葉は、まさに『ゼロ』のサブタイトルである「なにもない自分に小さなイチを足していく」ことの重要性でした。(写真:平岩紗希)

結果を見ないから
想像を超えられる

堀江 ところで蜷川さんって、いまや写真家と映画監督の二足のわらじ状態ですけど、写真と映像(ムービー)って、やっぱり違うものですか?

蜷川 ぜんぜん違いますよ。

堀江 具体的に、どういう違いなんでしょう?

蜷川実花(にながわ・みか)
鮮烈な色彩感覚でいま最も注目を集める写真家・映画監督。木村伊兵衛写真賞ほか数々を受賞。映像作品も多く手がける。2007年、映画『さくらん』監督。2008年、個展「蜷川実花展」が全国の美術館を巡回し、のべ18万人を動員。2010年、Rizzoli N.Y.から写真集「MIKA NINAGAWA」を出版、世界各国で話題となる。2012年7月には監督映画『ヘルタースケルター』が公開され大ヒットを記録。2013年春、上海・外灘に内装プロデュースを手掛けたカフェ&バー「Shanghai Rose」がオープン。蜷川実花の世界を気軽に表現できる無料カメラアプリ「cameran」もリリース中。

蜷川 映像のときって私がカメラを回すわけじゃないから、全部言葉で説明しないといけないんです。「あそこのお尻がかわいいんで、もうちょっと寄ってください」とか「あのスカートがひらひらっとする瞬間がいいんで、もう少し風を当ててください」とか、言語化する論理的な能力が必要になる。
でも、写真って感情と機械がすっごいダイレクトにつながってるので、言葉はなにも要らないんです。カッコイイと思って撮れば、カッコよく写る。ものすごく感情的なんです。

堀江 なるほどねえ。

蜷川 もちろん、写真についても努力はしましたよ。堀江くんの『ゼロ』じゃないけど、すっごい努力した。でも本人はそれを努力と思わないじゃない?

堀江 ハマる、ってことですよね。

蜷川 そう、ハマってるだけだから。別に朝から晩まで現像室にいても、それが当たり前だし楽しいですしね。駆け出しのころは出版社をたくさん回って、足蹴にされて、どんだけ回っても写真集が出ないとか。そういうのも苦労じゃないっていうか、当たり前だと思ってました。

堀江 僕らの世代って、フィルムからデジタルに変わった世代じゃないですか。蜷川さん、そこの切り替えはすぐにできたんですか?

蜷川 いや、けっこう大変でしたよ。最後の最後までフィルムで粘ったし、いまでもフィルム使うことあるし。

堀江 ええっ? そうなの?

蜷川 うん。色が派手だから「デジタルでしょ?」って言われるんですけど、断然フィルム。やっぱりカメラが物理的に変わると写るものも変わるんですよ。

堀江 それは画素数とかそういうことじゃなくって?

蜷川 違う違う。たとえば、顔よりも大きなカメラをかまえて「撮りまーす!」とか言われると、多少は萎縮するじゃないですか。でも、ケータイで「撮るよー」ってかまえられても緊張しないでしょ?

堀江 ああー、そうか。なるほどね。

蜷川 そういうレベルで、たとえばデジカメだとシャッター音も軽くてむかつくし。

堀江 シャッター音とかカスタマイズできないの? なんかそういうサウンドつければいいじゃないですか。

蜷川 そういう問題じゃないんですよ。あとデジタルだと、その場で結果が見られますよね? それで「よし、これでいいや」と思ったらおしまいなんです。フィルムの場合は、どう写ってるかわからないからけっこうたくさん撮るんですよ。そうすると、自分が想定したのよりおもしろいところに行くパターンが多くって。

堀江 なるほどねー。写真家にとっても意外性があるのか。

蜷川 結果が見えないからこそ、想像以上のものが撮れるという。だからデジタルに慣れるのは、かなり時間がかかりました。ここ数年ですよ。

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堀江貴文 [実業家、SNS株式会社ファウンダー]

1972年福岡県八女市生まれ。血液型A型。実業家。元・株式会社ライブドア代表取締役CEO。民間でのロケット開発を行うSNS株式会社ファウンダー。東京大学在学中の1996年、23歳のときに有限会社オン・ザ・エッヂ(後のライブドア)を起業。2000年、東証マザーズ上場。2004年から05年にかけて、近鉄バファローズやニッポン放送の買収、衆議院総選挙への立候補などといった世間を賑わせる行動で一気に時代の寵児となる。しかし2006年1月、証券取引法違反で東京地検特捜部に逮捕され懲役2年6ヵ月の実刑判決を下される。2013年11月に刑期を終了し、ふたたび自由の身となって「ゼロ」からの新たなスタートを切った。自身のブログ「六本木で働いていた元社長のアメブロ」で独自の見解を展開中。著書に『徹底抗戦』『人生論』『希望論』など。TV、ラジオ、インターネット番組と幅広く活躍中。


堀江貴文のゼロ──なにもない自分に小さなイチを足していく

2006年に逮捕されすべてを失った堀江貴文。その刑期満了の時期に刊行したのが『ゼロ』である。そこには「働くこと」「生きること」に関する彼の熱い思いが詰まっている。人は誰しも最初「ゼロ」であり、そこに何をかけてもゼロのままだ。となれば、まずは地道な足し算を積み重ねるしかないと堀江氏は説く。それは「ゼロの自分」に「小さなイチ」を積み重ねた本人の偽らざる実感でもある。本連載では『ゼロ』の内容に即して「働く」ことの大切さを時代の最先端を行く人達を語り合う。

「堀江貴文のゼロ──なにもない自分に小さなイチを足していく」

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