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堀江貴文のゼロ──なにもない自分に小さなイチを足していく
【第4回】 2014年1月6日
著者・コラム紹介バックナンバー
堀江貴文 [実業家、SNS株式会社ファウンダー]

第4回
[ちきりん×堀江貴文 対談](後編)
自立した理想の生き方を目指す

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社会派ブロガー・ちきりんさんと堀江貴文さんのスペシャル対談は、伝えることのむずかしさから、両親の話題へと進んでいきます。還暦祝いに「赤いマーチ」をプレゼントしてほしいとねだった堀江さんの母親の話に、ちきりんさんは涙しそうになったそうです。それはいったいなぜなのか? テーマはさらに、自立の大切さ、そしてお互いが理想とする「生き方」の話へ。一歩を踏み出せずに悩んでいる人、必読です!(写真:平岩紗希)

「赤いマーチ」が欲しかった
母のほんとうの思い

ちきりん 私が『ゼロ』を読んで、いちばん“じーん”ときたのは、お母様の話でした。

堀江 ええ。

ちきりん 堀江さんがお忙しいときに電話をかけてきて、「車が古くなってきたから、つぎはマーチにしたい」とか「還暦だから赤がいいんじゃないか」って……。

堀江 そうそう、そうなんです。

ちきりん
関西出身。バブル最盛期に証券会社で働く。その後、米国留学を経て外資系企業に勤務。2010年末に早期リタイヤ後は、「働かない生活」を謳歌中。崩壊前のソビエト連邦などを含め、これまでに約50ヵ国を旅している。2005年から書き始めた「Chikirinの日記」は、政治・経済からメディア、世代論まで、幅広いテーマを独自の切り口で語り、現在、日本で最も多くの支持を得るブログとなっている。著書に『ゆるく考えよう』『自分のアタマで考えよう』『未来の働き方を考えよう』など。

ちきりん しかもはっきりと「還暦祝いに赤いマーチを買ってほしい」って言わないもんだから、堀江さんが「はあ?」って感じの応答をしてたら、いきなり電話をガチャ切りされたんですよね?

堀江 よくガチャ切りされてます。あっちからかけてきてるのに、わけわからないですよ。そんなにマーチが欲しいのなら、ストレートに言えばいいのに……。ほんとうに、面倒くさい親なんです。

ちきりん でも私、堀江さんのお母様の気持ち、すごくよくわかりますよ。だって、お母様が本当に欲しいと思われたものは、赤いマーチでさえないんですよね。

堀江 えっ、そうなんですか?

ちきりん そうですよ。お母さんが欲しかったのは単なる車じゃなくて、「私にはこんなにすばらしい息子がいる」って一目で皆に伝えられる“あまりにもわかりやすい証拠”だったんです。地方って、どこに行くにもクルマでしょ。60歳になって真っ赤な新車に乗っていたら、みんな必ず「そのクルマどうしたの?」って聞いてくれます。そのときに、「これ、息子からの還暦祝いなのよ」って言えることが、母親としてめちゃくちゃ幸せなんです。

堀江 ああ。

ちきりん 「息子からもらった赤いマーチ」によって、5つくらいのメッセージが同時に、しかも瞬時に伝えられるでしょ。うちの息子は親に車をプレゼントできるくらい経済的に成功している。もちろん、お金があるだけじゃなく、やさしくて母親思いだ。こうして生活に役立つものを買ってくれるってことは、たとえほとんど地元に戻って来なくても、ここでの私の生活も理解してくれてる。そしてなにより、「こんな立派な息子を生み育てた私の人生は大成功だった」ってことを、その車一台で、周りの人に一瞬にして伝えられる。

堀江 ……。

ちきりん まさか堀江さん、お母様がほんとうにマーチが欲しいんだと思ってました?

堀江 やあー、僕、そこまで思いつかなかったなあ。

ちきりん だから“赤い”マーチなんですよ。白じゃ、買い替えたことに気づかない人も出るから、自分から言わなくちゃいけなくなるでしょ。

堀江 ああ、なるほど。古くなってきたから買い替えたいし、還暦だから赤なんだと、そのまんま受け止めてました……。

ちきりん 全然わかってないですねー(笑)。お母様が得たいと思われたのは、私はこんなすばらしい子どもを育てあげたという、母親としての人生への肯定感だと思います。

堀江 ああ、そうなのかあー。いやー、ほんと、全然気づかなかったです。……ちきりんさん、すごいですね。

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堀江貴文 [実業家、SNS株式会社ファウンダー]

1972年福岡県八女市生まれ。血液型A型。実業家。元・株式会社ライブドア代表取締役CEO。民間でのロケット開発を行うSNS株式会社ファウンダー。東京大学在学中の1996年、23歳のときに有限会社オン・ザ・エッヂ(後のライブドア)を起業。2000年、東証マザーズ上場。2004年から05年にかけて、近鉄バファローズやニッポン放送の買収、衆議院総選挙への立候補などといった世間を賑わせる行動で一気に時代の寵児となる。しかし2006年1月、証券取引法違反で東京地検特捜部に逮捕され懲役2年6ヵ月の実刑判決を下される。2013年11月に刑期を終了し、ふたたび自由の身となって「ゼロ」からの新たなスタートを切った。自身のブログ「六本木で働いていた元社長のアメブロ」で独自の見解を展開中。著書に『徹底抗戦』『人生論』『希望論』など。TV、ラジオ、インターネット番組と幅広く活躍中。


堀江貴文のゼロ──なにもない自分に小さなイチを足していく

2006年に逮捕されすべてを失った堀江貴文。その刑期満了の時期に刊行したのが『ゼロ』である。そこには「働くこと」「生きること」に関する彼の熱い思いが詰まっている。人は誰しも最初「ゼロ」であり、そこに何をかけてもゼロのままだ。となれば、まずは地道な足し算を積み重ねるしかないと堀江氏は説く。それは「ゼロの自分」に「小さなイチ」を積み重ねた本人の偽らざる実感でもある。本連載では『ゼロ』の内容に即して「働く」ことの大切さを時代の最先端を行く人達を語り合う。

「堀江貴文のゼロ──なにもない自分に小さなイチを足していく」

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