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コミケは大企業も注目する日本屈指のイベントに成長
そこへ「ディズニーが公式出展」する意義と影響は

小山友介 [芝浦工業大学システム理工学部教授]
【第47回】 2013年12月27日
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企業ブースの様子。1日で数千万円のグッズを売りさばく企業も珍しくない

 企業ブースはマンガ・アニメのお祭り感を盛り上げるだけでなく、企業ブースへの出展料を原資として、同人誌の頒布ブース参加料(サークル参加料)を軽減する役割をも担っている。また、企業ブースの売上高も非常に大きく、出展企業もコミケットに合わせて限定販売・先行販売するグッズが多数ある。

 コミックマーケット35周年調査によると、来場者のうち男性で6割、女性で2割程度の人が企業ブースでグッズを購入しており、平均支出額は男性が9684円、女性が2328円である。男女で支出額が大きく異なるのは、企業ブースで発売されているグッズに男性向け作品に登場する美少女キャラクターが描かれたもの(いわゆる「萌え系」のグッズ)が多いことを反映している。

 かつての企業ブースはPCゲーム開発会社やアニメ制作会社など、比較的小規模で実際にコンテンツを制作している企業の出展が主だった。しかし、近年ではこの絶大な動員力と購買力に引きつけられる形で、大手ゲーム会社・アニメ配給会社・出版社・TV局(東京のキー局)といった資本力を持つ企業が特別グッズを製作して出展する動きが加速している。コンテンツ産業内でのコミケットの持つ影響力は、既存の大企業も無視できない規模となっているのである。

ディズニーの出展すなわち
二次創作を認めたということではない

 今回のディズニーの行動がこれほどまでに注目を集めている原因は、コミケットで頒布されている同人誌の大半がいわゆる「二次創作」だからだ。二次創作とは、作品のファンが、作中のキャラクターや世界観を用いて創作した作品のことを指す。自分で描いたキャラクターのイラスト集やキャラクター同士の何気ない日常を想像して描かれたもの、作品では実現しなかった(もしくは、しようがない)キャラクター同士の恋愛ものなど、様々な作品が頒布されている。コミケットに足を運ぶような、作品の熱心なファンは、発表されている作品に加え関連する同人誌も熱心に購入することで物語世界を消費し尽くすのである。

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小山友介
[芝浦工業大学システム理工学部教授]

1973年生まれ。芝浦工業大学システム理工学部教授。2002年京都大学大学院博士課程修了。博士(経済学)。東京工業大学助教等を経て現職。東工大時代に経済シミュレーション研究に従事、そこで学んだコンピュータサイエンスの知識を生かしてゲーム産業研究を行なう。専門はゲーム産業を中心としたコンテンツ産業論と社会情報学。2016年6月末に『日本デジタルゲーム産業史』 (人文書院)を刊行。

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ゲームソフトをゲーム専用機だけで遊ぶ時代は終わった。ゲーム機を飛び出し、“コンテンツ”のひとつとしてゲームソフトがあらゆる端末で活躍する時代の、デジタルエンターテインメントコンテンツビジネスの行方を追う。

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