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“リア充”をセッティングする学生寮
「チェルシーハウス」は成功するか

筒井健二
2014年1月16日
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 アフリカにこんなことわざがあるそうだ。

 「早く行くなら一人で、遠くに行くならみんなと」

 日々の仕事も生活も、仲間や家族と助け合いながら進む長い旅のようなもの。人生の目標を高く掲げ、それぞれの“遠く”を目指すのであれば、そこに出会いの刺激を期待するのは当然のことなのかもしれない。

 教育関連のNPO法人「NEWVERY」が今年3月にオープンする「チェルシーハウス」は、“本気”で大学生活を充実させたい学生たちを集める学生寮である。

チェルシーハウスの外観イメージ。2014年3月オープンの「チェルシーハウス国分寺」(56室)を皮切りに、今後5年間で500室を目標としている

 2013年12月中旬に都内で開催された第1回入寮説明会には、現役大学生、今春卒業予定の高校生を中心におよそ30名が参加。家族に付き添われて、栃木県からやってきた学生もいた。

 「チェルシーハウスの最大の魅力は“人”。学校教育以外に彼らが成長のチャンスをつかむには、自己研鑚を支える環境が必要です。人から人へ、それぞれの“本気”が受け継がれていくような場になればと考えています」(NEWVERYフェローでキャリアコンサルタントの斉藤寛子氏)

学生と交流する「メンター」を配置

 特徴として挙げられるのは、各分野の最前線で活躍する社会人がメンターになること。広告代理店、外資系証券会社、クリエーターや社会人類学者など、各界の第一線で活躍する“大人”たちが、月に1回学生との交流の場を設ける。

 学生8人に対してメンターは2人体制。入寮時の面接で学生の興味分野や志向を聞き、双方のベストマッチングを図る。

 「社会のこと、将来のこと、広くは生き方のヒントをつかんでほしい。人間関係や恋愛など、学生にとっての“いま”の問題を相談してもいいでしょう。彼らの潜在能力を十分に引き出すには、一人ひとりを全方位から見守ることが必要です。ただ、チェルシーハウスはあくまできっかけ。チャンスは自ら取りに行くものであり、そうしたアクションを支援する存在になれればうれしいですね」(斉藤氏)

 寮生との日常的な関わりやトークライブなどのイベント、併設されたゲストルームに宿泊する全国からの学生や社会人メンターとの交流を通じて、価値観や人生観の醸成を図る。

 「質の高いコミュニケーションというのは、“ソフト8割、ハード2割”で生まれるもの。人が住んで初めて家と呼ばれるのですから。私たちやメンターだけでなく、そこに暮らす学生の皆さんと一緒に手を加えていき、チェルシーハウスに関わるすべての人の成長を目指します」(NEWVERY理事長の山本繁氏)

 チェルシーハウスとは、著名な芸術家や音楽家、作家が好んで滞在したニューヨーク・マンハッタンの『チェルシーホテル』にインスパイアされたネーミングだそうだ。かつて若手漫画家が集まった日本の『トキワ荘』しかり、若い才能が自然と集う場所は、いつの時代にも存在する。

 あそこに行けば面白い学生がいる――チェルシーハウスは企業や有識者が注目するような集い場になれるか。

(筒井健二/5時から作家塾(R)

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