精肉店、パチンコ、キャバクラ、風俗…転々とする仕事

開沼 大山さんは講演や執筆活動ばかりしてこられたわけではありません。学校を出た後、これまでどんな仕事に就いてきましたか?

大山 17歳のとき、父親との面会後には精肉店で働き始めていて、そのときは友だちの家に世話になっていたので、貯金させてもらっていました。それから、パチンコ屋でも働いていました。

開沼 本にも書かれていましたが、名古屋の風俗店で働いていたこともあるんですよね。それは今でもですか?

大山 今は、名古屋の風俗は休職しました。まだ正式に辞めているわけではないんですけど、社長さんが、「やりたいことをやってくれ、お前はずっと風俗で働くような人間ではない。まだ若いんだからから、ちゃんとしっかりできるから」と言ってくれて。

 風俗の仕事は、午前10時から翌日の午前3時くらいまで、拘束時間が15~16時間と長いので、講演活動もうまくできない状態になりました。そこで、休職させてもらい、今はアルバイトで、バーというか、飲み屋さんの仕事を手伝っている状態です。

開沼 なるほど。風俗にはどれくらいの期間?

大山 風俗歴は、キャバクラを1年くらいと、風俗の店舗型もたぶん1年くらいじゃないですか。そんな長くないですね、両方とも。

開沼 キャバクラから風俗に仕事を切り替えているのは、どういうきっかけがあったんですか?

大山 キャバクラを辞めたのは、スカウトをしたくなかっただけです。あとは、内臓を壊して働けなくなりました。

開沼 それは飲み過ぎで?

大山 ボーイも飲まされるんですよ。たとえばテキーラのゴールドかな、50度か40度くらいのお酒です。原価は1200円ぐらいなんですけど、女の子がお客さんに出すときは7万円で出すんですよ。普通のシャンパンは1500円原価で入れたものを1万円くらいで出すんですけど、テキーラは比じゃないくらい高い。

 なぜかというと、店のリスクが高いから。テキーラを1本開ければ、女の子は次の仕事はできないので、お金を生み出すことができなくなってしまいます。だから、女の子が潰れても大丈夫なように、それだけの値段を付けてあるんです。でも、やっぱりお客さんと女の子だけじゃ飲みきれないで残っちゃうんですよ。

開沼 ボトルキープはできないんですか?

大山 次に来てもらったとき潰されないように、テキーラは基本的にキープできません。そうすると、余った酒を僕らが飲まされるんですよ。「もったいないから、おにいちゃん飲んでよ」って感じで。それが頻繁に続いて、1日でテキーラを2本開けたりしていたら内臓が壊れてすい臓炎になりました。今はもう大丈夫ですけど、キャバクラの仕事ができなくなって風俗に流れました。