山田錦確保のため、今後もみずから動く

ーーあとは、需要の増加に充分対応できる量のお酒を生産できるよう、原料である酒米「山田錦」の確保が、今後の課題です。

 そうですね。酒を生産する設備の増強はすでに手を打ちましたが、肝心の原料がなければ手も足もでません。

 幸い、減反政策を見直すという方針が打ち出され、期待はしています。ただ、理想通りに事が運ぶかどうかはわかりませんので、今後も、山田錦を作ってくれる農家を自分たちで開拓し続けます。

 すでに新潟県や栃木県など、手を上げてくれている農家があります。そして、もともとの生産地である兵庫県にも増産してくれるようお願いしています。「100%あなただけと付き合う」と言わずに、あちこちの農家にお願いするのが旭酒造のえげつないところですが、互いに切磋琢磨できれば良い方向に転がると思います。

ーー今年の目標は、1. パリ出店の成功、2. 農家とのさらなる連携、というふたつになりそうですね。

 1. 2. はそうですね。そして、相も変わらず3. 少しでも良い酒造り、です。

 3. には終わりがありませんし、これこそが旭酒造の依って立つべき信念です。おかしなマーケティングの手法に頼らず、愚直にいい酒を造り、それをお客様に楽しんで頂く。この点についてブレないこと、さらに社員全員に浸透させること、それが一番にして永遠の目標です。


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