ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
逆境経営 ~山奥の地酒「獺祭」を世界に届ける逆転発想法~
【第1回】 2014年1月10日
著者・コラム紹介バックナンバー
桜井博志 [旭酒造株式会社 代表取締役社長]

変えるべきでない伝統を守り抜き
大事なものを守るための変化は恐れない

1
nextpage

山口県の山奥にあるつぶれかけた小さな酒蔵が、いかにして世界約20ヵ国に展開するまでに至ったのかーー? 伝統産業にあって型破りな経営改革を断行する間の七転び八起きを支えた、合理的思考法と熱いスピリットをまとめた『逆境経営 〜山奥の地酒「獺祭」を世界に届ける逆転発想法』(1/17刊行)から、一部をご紹介していきます。著者である桜井博志・旭酒造社長は、1/16(木)のテレビ東京系列『カンブリア宮殿』に出演予定です!

 突然ですが、このお酒の名前をご存じでしょうか。

 <獺祭>

 最近では、意外にも多くの方が答えてくださいます。
「“だっさい”ですよね」

 私が社長を務める旭酒造は、山口県の山奥にある酒蔵です。今では、旭酒造という社名よりも、<獺祭(だっさい)>という銘柄のほうが知られている、小さな会社です。

 この「獺祭」という酒は、テレビCMも流していませんし、量販店やコンビニエンスストアといった一般になじみの深い酒販業態ともほとんどお付き合いがありません。ただ、東京の料理屋さんや飲み屋さんあたりで飲まれたことのある方が増えて、難しい漢字の商品名ですが(私どもの酒蔵の所在地である、獺越(おそごえ)の地名にヒントを得ました)、期待する以上に皆さん「だっさい」と読んでくださいます。

 実は2013年、「獺祭」の出荷数量は1万1400石と、純米大吟醸という酒別で全国トップとなり、お陰様で今も伸びています。

 私たちがお出ししているお酒の銘柄はただひとつ、この<獺祭>しかありません。この「たったひとつ」を「最高のひとつ」に磨き上げることで、少しずつ、着実に、そして気づけば多くの方に、山奥から<獺祭>をお届けできるようになりました。

 2000年からは海外展開を始め、すでに約20ヵ国で販売しています。そして、2014年夏、フランス・パリの凱旋門近くの一等地に、<獺祭>を飲んで、買って、楽しんでいただける獺祭パリ店を開業する予定で、目下、最終準備に追われています。

 パリに<獺祭>? なぜと驚く方も、多いのではないでしょうか。

次のページ>> どん底からのスタート
1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
まいにち小鍋

まいにち小鍋

小田真規子 著

定価(税込):本体1,100円+税   発行年月:2016年11月

<内容紹介>
簡単で安くて、ヘルシー。ポッカポカの湯気で、すぐにホッコリ幸せ。おひとりさまから共働きのご夫婦までとっても便利な、毎日食べても全然飽きない1〜2人前の小鍋レシピ集!「定番鍋」にひと手間かけた「激うま鍋」。元気回復やダイエットに効く「薬膳鍋」や、晩酌を楽しみたい方に嬉しい「おつまみ鍋」など盛り沢山!

本を購入する
著者セミナー・予定
(POSデータ調べ、11/20~11/26)


注目のトピックスPR


桜井博志 [旭酒造株式会社 代表取締役社長]

1950年、山口県周東町(現岩国市)生まれ。家業である旭酒造は、江戸時代の1770年創業。1973年に松山商科大学(現松山大学)を卒業後、西宮酒造(現日本盛)での修業を経て76年に旭酒造に入社したが、酒造りの方向性や経営をめぐって先代である父と対立して退社。79年に石材卸業の櫻井商事を設立して集中していた。父の急逝を受けて84年に家業に戻り、純米大吟醸「獺祭」の開発を軸に経営再建をはかる。社員による安定的な旨い酒造りを目指し、四季醸造の実現や遠心分離機の導入など改革を進めた。2000年頃から始めた海外販売を本格強化するため、2014年のパリを皮切りに海外直営店を出店予定である。


逆境経営 ~山奥の地酒「獺祭」を世界に届ける逆転発想法~

純米大吟醸「獺祭」を展開する旭酒造は、約30年前、普通酒を主体とするつぶれかけの酒蔵でした。先代である父の急逝により、急遽三代目を継いだ著者は、目の前の常識を疑い、新たな酒蔵として生まれ変わるべく、改革を進めます。変革を可能にし、海外約20カ国に展開するまでに至った、熱い心と合理的思考法を紹介します!

 

「逆境経営 ~山奥の地酒「獺祭」を世界に届ける逆転発想法~」

⇒バックナンバー一覧