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富田直美 真説・IT考

デジタルマーケティングをめぐる3つの現実

富田直美
【第12回】 2014年1月17日
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 デジタルマーケティングの分野はITの分野で非常に注目されているが、昨年、ショッキングな調査結果が立て続けに3つ発表された。今回はその3つの調査結果の内容をご紹介し、その対策についても言及してみたい。

調査結果・1
米マーケッターはデジタルマーケティングの「未来が見えない」
(2013年9月)

今後3年間で、最も重要になると思われるマーケティング領域は何か」という質問に対し、質問者間で意見の一致がみられなかったことや、「ソーシャルメディアマーケティング」や「パーソナライゼーションおよびターゲティング」など注目分野についての見解もバラバラだったことから、マーケターのほとんどがデジタルマーケティングの未来や今後に対して「先が見えない」との意識を持っていることが分かった。

引用元:http://marketing.itmedia.co.jp/mm/articles/1310/09/news059.html

 この調査はアメリカの1000名のマーケッターに対し、アドビシステムズが行った意識調査によるものだ。これはデジタルマーケティングの最先端の米国での意識調査だが、日本のマーケッターはアメリカの事例、カンファレンスなどに参加しながら知見を得ることが多いため、日本のマーケッターの状況もそれほど違いはないと類推できる。

調査結果・2
従業員のデジタルマーケティング・スキルを信頼している経営層は8%
(2013年11月)

フォーチュン500社/マーケター747人を対象に行ったOnline Marketing Institute(OMI)の調査によると、(中略)今回調査した経営層のうち、わずか8%の人だけが「デジタルマーケティング全分野にわたり、従業員のスキルを信頼している」と答えているそうだ。

引用元:http://marketing.itmedia.co.jp/mm/articles/1311/22/news067.html?fb_action_ids=694931323858964&fb_action_types=og.likes&fb_source=aggregation&fb_aggregation_id=288381481237582

 これはフォーチュン500社/マーケター747人を対象に調査したものだが、経営者層でマーケッターのスキルを信頼している人は8%しかいない。

調査結果・3
日本は経営者層のリーダー役がゼロ
(2013年11月)

日本のマーケティング・リーダーは他のアジア諸国と同様に、「デジタルマーケティングは自社の競争力を高めるものである」(日本91%、APAC平均94% *日本を除く)と、その価値を高く認識しているにもかかわらず、「経営層に、デジタルマーケティングを推進するリーダー役がいるか」という設問において、日本を除くAPAC平均では「いる」が38%だったのに対し、日本は0%という結果となり、その実現に不可欠なリーダーシップの欠如が明らかとなりました。

引用元:「アジア地域企業308社、デジタル時代の企業マーケティング活動を実態調査」2013年11月19日
http://www.adobe.com/jp/aboutadobe/pressroom/pressreleases/20131119_DigiDash.html


 このアンケートはCMOカウンシルに参加するアジアのマーケティング・リーダー308人に対し、CMOカウンシルとアドビシステムズが共同で行った実態調査によるものだが、日本の企業の経営者層はデジタルマーケティングを推進するCMO(最高マーケティング責任者)の役割をする人がいないのである。

日本の問題点

 この3つの調査結果を日本に限定し、まとめると、「経営者層にデジタルマーケティングを理解する人がおらず、マーケッターは先行きが不透明で、大企業の経営者層はマーケッターのスキルをあまり信用していない」ということになる。

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新しいIT技術に基づく製品やサービスは、人間、社会にどんな影響(ポジティブ、ネガティブ)を与えるのか? 先端IT企業9社の経営経験を経て、現在は名門シンクタンクの理事を務め、大学で人間力を教える著者が、わかりにくいITとIT業界の動きを人間力によって立つ問題意識を元に考察する。

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