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いまこそ読みたい! ダイヤモンド社100年100冊
【第35回】 2014年1月23日
著者・コラム紹介バックナンバー
坪井賢一 [ダイヤモンド社論説委員]

「原発ゼロ発言」の根拠としても注目
ビジネスの観点から再生エネルギーを論じる書
『新しい火の創造――エネルギーの不安から世界を解放するビジネスの力』

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小泉純一郎元首相の「原発ゼロ発言」がにわかに注目を集めています。原発ゼロを理由に東京都知事選で細川元首相を支援するなど、いろんなメディアで再度小泉元首相を目にするようになりましたね。今回ご紹介するのは、「原発ゼロ」発言の元になる書籍『新しい火の創造――エネルギーの不安から世界を解放するビジネスの力』です。

小泉元首相の
「原発ゼロ発言」の根拠

エイモリー・B・ロビンス/ロッキーマウンテン研究所 著、山藤泰 訳『新しい火の創造――エネルギーの不安から世界を解放するビジネスの力』
2012年10月刊。524頁とかなり分厚く、重厚な印象を与えます。

 エイモリー・B・ロビンス(1947-)は米国のNPOロッキーマウンテン研究所の共同創設者で現会長の物理学者です。本書の原題は“Reinventing Fire”で、2011年に出版されました。再生可能エネルギー(太陽、風力、地熱、バイオマス、小水力など)による効率的な経済システムのデザインを提唱します。

 結論を先に書くと、ロビンスは再生可能エネルギーによって新しいビジネスが生まれ、経済は成長すると主張するのです。節約して自然環境に適した前近代の生活をしようと述べているわけではありません。再生可能エネルギーによって、2050年には米国の電力の少なくとも80%はまかなえるというビジョンを提示し、検証していきます。

 小泉元首相と細川元首相が東京都知事選で「原発ゼロで新しい成長を」と発言しているのは、エイモリー・ロビンスの影響であり、本書を読んだ結論なのです。首相時代に原子力を推進したことの自戒を込めているわけです。小泉さんははっきり「誤りだった」と発言しています。

 本書はロビンスが数年ぶりに上梓した新著で、再生可能エネルギー開発の情報化、ハイテク化によってビジネスをも創造できるとする根拠とプランを大量に提示します。研究と提案の対象は米国ですが、エネルギー多消費社会である米国の構造でもここまでできるとするアイデアは、日本でも有効です。

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坪井賢一 [ダイヤモンド社論説委員]

1954年生まれ。78年早稲田大学政治経済学部卒業後、ダイヤモンド社入社。「週刊ダイヤモンド」編集長などを経て現職。著書に『複雑系の選択』『めちゃくちゃわかるよ!経済学』(ダイヤモンド社)『浦安図書館を支える人びと』(日本図書館協会)など。


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ダイヤモンド社は2013年5月1日に創立100年を迎えることになりました。雑誌を追う形で始まった書籍事業も、ビジネスジャンルを中心に刊行点数は1万点を優に超えています。

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