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ソーシャルウェブ革命の衝撃

ハッカーとも対話!玩具メーカー・レゴは顧客と一緒にビジネスを作る

本荘修二 [新事業コンサルタント]
【第9回】 2008年9月4日
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 顧客との対話にとどまらず、顧客と共同でビジネスを作る。そんな大胆な企業がデンマークにある。言わずと知れたレゴである。

 1932年にデンマークで創立された同社は世界で最も古い玩具メーカー大手の一つだ。なんと一秒あたり約600ピースを世に送り出し、ブロック玩具でトップシェアを誇っている。

 しかし、2002年度売上1900億円で黒字(簡単のため20円=デンマーク・クローネ)から、2004年には売上1260億円損失360億円に転落し、遊園地を売り、子供服やソフトウェアの自社製造から撤退した。従業員は2003年の6500人から2007年には4200人へと縮小している。それが、2006年は売上1560億円当期利益260億円、2007年は売上1610億円当期利益210億円と短期間に復調した。

 背景には、Web2.0という言葉が出る前から顧客とのコミュニケーションを図り、さらには、リスクをとって顧客とのコラボレーションを推進した、企業モデルの革新があったのである。

情熱的なファンによくいる
変人やオタクを受け入れる

 ジェイク・マッキーがグローバル・コミュニティ開発マネジャーとして入社した2000年時は、レゴは成功のワナにはまった保守的な大企業だった。

 彼は売上の5%しかない大人のファンに注目した。熱心な大人のファンは、一人で多大な時間をレゴの趣味に投じ、もちろん購買額も桁違い。なにより、レゴの社員も驚くようなすごい作品をつくっているのだ。

 しかしレゴ社内の大勢は、子供用で忙しいのに大人にかまっていられない、そして「我々は、求めてもいないアイデアを受け入れない」という姿勢だった(ジェイク・マッキー講演より)。

 入社間もなく、ジェイクはレゴのCEO、法務、マーケティング・マネジャーを連れてレゴのイベントに向かった。CEOは、なんてスゴイ作品なんだと驚嘆した。しかし、法務は色々とうるさいことを言い、マーケティングは売上にどう関係するか苦慮した。当時のレゴは、売上の多くをもたらしてくれるウォルマートやトイザラスなど大手小売にご執心で、ユーザーのことは大して気にしていなかったのだ。よくある大企業病がレゴでも進行していたのである。

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本荘修二 [新事業コンサルタント]

多摩大学客員教授、早稲田大学学術博士(国際経営)。ボストン・コンサルティング・グループ、米CSC、CSK/セガ・グループ会長付、ジェネラルアトランティック日本代表を経て、現在は本荘事務所代表。500 Startups、NetService Ventures Groupほか日米企業のアドバイザーでもある。


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