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ソーシャルウェブ革命の衝撃

アップルも唸った影響力!
B2Bの雄シスコの顧客啓蒙術

本荘修二 [新事業コンサルタント]
【第13回】 2008年10月2日
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 ソーシャル・ウェブというとコンシューマーを対象とする企業に限られるという印象があるかもしれない。しかし、ネットワーク機器という主に法人を相手とするB2B分野に属するにもかかわらず、率先してソーシャル・ウェブに取り組んでいる企業がある。それがシスコ・システムズだ。

 その取り組みはコミュニケーションの対象を大きく三つ(顧客やパートナー、社会、社内)に分けて展開されている。ただ、最終的な狙いは、先進例を示すことで、顧客を啓蒙し、リーダー企業としてのアイデンティティを強化することである。

シスコのブログ戦略の正しさを
証明した「iPhone」騒動

 シスコは、2005年3月にガバンメント・アフェアーズ(政府対応)のチームを中心として、ブログに本格的に取り組み始めた。世の大企業の例に漏れず、当初は法務やコーポレート・コミュニケーション部門が、否定的なコメントが押し寄せたらどうするのか、といった心配をしたそうだ。しかしオープンに意見を発し、世論に訴えるにはブログの活用が適するという判断で、これに取り組んだのである。

 2006年にはグーグルやヤフー!などを巻き込んだ中国での情報管理問題が世間で議論となった。ここでシスコは、製品に一切手を加えないとブログで明言した。こうした姿勢は、ブログを始めて1年後の2007年に有力紙に取り上げられるに至り、一定の成果を示すことができた。「オープンかつ透明性のあるコミュニケーションに徹したことが認められた」とニューメディア・ディレクターのジャネット・ギブソンは語る(出所:Communitelligence Executing Social Media Conference in Los Angeles, May 2008)。

 また、このところ日本で話題のiPhoneだが、シスコとアップルの商標問題でシスコのブログは重要な役割を果たした。iPhoneという商品名は、2000年にシスコが買収したInfogear Technology社が1996年から保有しており、アップルは2001年からシスコに同商標の買い取り・使用について打診をしていた。

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本荘修二 [新事業コンサルタント]

多摩大学客員教授、早稲田大学学術博士(国際経営)。ボストン・コンサルティング・グループ、米CSC、CSK/セガ・グループ会長付、ジェネラルアトランティック日本代表を経て、現在は本荘事務所代表。500 Startups、NetService Ventures Groupほか日米企業のアドバイザーでもある。


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