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社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

もう、パラリンピックは終わりにしよう。
生みの親だからこそできる、
2020年東京大会の歴史的役割

竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]
【第105回】 2014年2月12日
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 深夜にソチ・オリンピックを観戦し、昼間はワイドショーで「自称」全聾の作曲家・佐村河内守氏のゴーストライター事件の報道を観ていると、自然とパラリンピックのことを考えてしまった。障害者の可能性とか、社会は障害者スポーツとどう向き合うべきか、ということだ。とくに2020年の東京大会における、オリンピックとパラリンピックの関係性はどうあるべきかを考えて、ひとつの結論を得た。

 それは、「東京大会では、パラリンピックを廃止すべき」ということだ。

 ご存じの通り、現在ではオリンピックの直後にパラリンピックが開催されることになっている。これは、セットにすることがオリンピック開催の要件になっているのだ。

 今回のソチオリンピックの後も、3月7日から16日までの10日間、パラリンピックが開催される。しかし、そもそもオリンピックとパラリンピックを分けて開催する必要があるのだろうか。つまり、健常者がやるスポーツと障害者のスポーツを分ける必要があるのか、ということだ。

オリンピックとパラリンピックを
分けることの問題点

 オリンピックとパラリンピックに分けることの問題点は2つある。

 まず、「注目度の問題」だ。前述の通り、パラリンピックはオリンピック終了後に開催される。つまり、パラリンピックはオリンピックに比べてどうしても注目度が低くなる。2週間以上にわたってオリンピックの白熱したゲームをさんざん観た後では、その直後のパラリンピック観戦は正直言ってつらい。普通の視聴者は体力的にもたないし、観戦することに飽きてもくる。

 しかし、パラリンピック選手も、オリンピック選手同様、自分たちの戦う姿を見てほしいと思っているし、障害者支援に関わる人間だって同様だ。むしろ、健常者アスリートよりも「観てほしい」という思いは強いかもしれない。だが、オリンピック後の開催では、どうしても注目度も関心も低下してしまう。

 しかしこれは、むしろオリンピックの前にパラリンピックを開催することで回避できる問題かもしれない。パラリンピックを先に開催したほうが、もしかしたらオリンピックもさらに盛り上がるかもしれない。何よりも、パラリンピックを先にやることで、オリンピックの開会式に障害者アスリートも参加しやすくなる。

 そんなわけで、パラリンピックを先に開催するというのはひとつの解決策になるだろう。しかし、もうひとつの重要な問題の解決にはつながらない。それは、そもそも健常者スポーツと障害者スポーツを分ける必要があるのか、という問題だ。

 基本的に健常者スポーツは健常者だけが、障害者スポーツには障害者だけが参加できる。だから分けるのは当然だと思うかもしれない。しかし、たとえば女子フィギアスケートには女性しか参加できないし、男子スラロームには男性しか参加できない。しかし、だからといって女子オリンピックと男子オリンピックに分かれて開催しているわけではない。同じオリンピックの冠の元で競技を行なっている。

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竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]

マーケティング・コンサルタントとしてクルマ、家電、パソコン、飲料、食品などあらゆる業種のトップ企業にて商品開発、業態開発を行なう。近年は領域を社会貢献に特化し、CSRコンサルタント、社会貢献ビジネスの開発プランナーとして活動。多くの企業にてCSR戦略、NGOのコミュニケーション戦略の構築を行なう。「日本を社会貢献でメシが食える社会にする」ことがミッションに、全国各地で講演活動を行なう。ソーシャル系ビジネスコンテストや各種財団の助成金などの審査員多数。また、「日本の女子力が世界を変える」をテーマに、世界の女性、少女をエンパワーメントするための団体「ガール・パワー(一般社団法人日本女子力推進事業団)」を、夫婦・家族問題評論家の池内ひろ美氏、日本キッズコーチング協会理事長の竹内エリカ氏らと共に設立。著書に『社会貢献でメシを食う。』『ジャパニーズスピリッツの開国力』(いずれもダイヤモンド社)がある。

株式会社ソーシャルプランニング
☆竹井氏ブログ 社会貢献でメシを食う〝REAL(リアル)〟
☆Twitterアカウント:takeiyoshiaki


社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

CSRやコーズマーケティングをはじめ、「社会貢献」というテーマがポピュラーとなったいま、「社会貢献のセカンドウェーブ」が来ている。新たなサービスやプロジェクトのみならず、新たな主役たちも登場し始めた。当連載では話題の事例を取り上げながら、社会貢献的視点で世の中のトレンドを紹介していく。
*当連載は、人気連載『社会貢献を買う人たち』のリニューアル版として、2014年1月より連載名を変更しました。

「社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭」

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