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相川俊英の地方自治“腰砕け”通信記

小豆島を揺るがす「税金滞納騒動」の底知れぬ闇
新町長の疑惑とデータ持ち出し事件は符号するか?

相川俊英 [ジャーナリスト]
【第87回】 2014年2月18日
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「まさか」「いくらなんでも」
小豆島の税金滞納データを巡る事件

 取材記者として場数だけは踏んできているので、多少のことには動じなくなってしまった。「事実は小説よりも奇なり」という事案にも、度々出会ってきた。取材していて「まさか!」と驚愕するよりも、「またか」と呟く方が今では圧倒的に多い。迷宮の中を彷徨うように取材現場を必死に駆けずり回ることも、めっきり少なくなってしまった。

 だが、今回は違った。偶然小耳に挟んだ情報を基に動き出したところ、吃驚仰天する話に巡り合ってしまったのである。自分の耳を疑いたくなるような「まさか!」「いくらなんでも!」の連続で、腰が抜けるかと思った。

 しかも、事態は現在進行中で、片時も目を離せない状況にある。その上、なぜか地元でもきちんと報じられていない。

 舞台となっているのは、瀬戸内海に浮かぶ小豆島。オリーブと観光の島として有名な小豆島には、2つの町がある。島の南部が香川県小豆島町で、北部は香川県土庄町。2町のうち前代未聞の事態が進行しているのは、放浪の俳人・尾崎放哉の終焉の地として知られる北部の土庄町だ。

 狭い路地が複雑に入り組む土庄町は、「迷路の街」とも言われている。人口は、1万4271人(2014年2月1日現在)

 土庄町は2月10日に記者会見を開き、一人の男性職員を懲戒処分(減給2ヵ月)にしたことを明らかにした。懲戒処分を受けたのは、40代の男性職員N。税金の滞納などに関する町のデータを、自分のUSBメモリーに無断でコピーし、元のデータを消去したというのが処分理由だった。

 土庄町は町税の滞納が多く、低徴収率に苦しんでいる。徴収率は83.6%(2011年度)に低迷し、香川県下でワーストワン。このため、町は2012年4月に滞納処理を専門に行う債権管理室を新設し、徴収率アップに力を入れていた。懲戒処分を受けた男性職員Nはこの債権管理室に昨年9月末まで勤務し、その後、他の部署に異動していた。

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相川俊英 [ジャーナリスト]

1956年群馬県生まれ。放送記者を経て、1992年にフリージャーナリストに。地方自治体の取材で全国を歩き回る。97年から『週刊ダイヤモンド』委嘱記者となり、99年からテレビの報道番組『サンデープロジェクト』の特集担当レポーター。主な著書に『長野オリンピック騒動記』など。


相川俊英の地方自治“腰砕け”通信記

国政の混乱が極まるなか、事態打開の切り札として期待される「地方分権」。だが、肝心の地方自治の最前線は、ボイコット市長や勘違い知事の暴走、貴族化する議員など、お寒いエピソードのオンパレードだ。これでは地方発日本再生も夢のまた夢。ベテラン・ジャーナリストが警鐘を鳴らす!

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