本日のテーマは「リストラ」です。連日、リストラに関するさまざまな情報が流れています。秘密裏に行われているイメージが強いと思いますが、実は決算書のある場所を見れば、その企業が、過去、どんな規模のリストラを行ってきたがわかるのです。詳しく見ていきましょう。

損益計算書の分析で、
黒字・赤字の原因がわかる!

 粉飾や業績悪化の兆候を探るという観点からは、貸借対照表の勘定科目を分析するのが有効です。これに対して、損益計算書の分析は、黒字や赤字の原因がどこにあるのかを探ることが中心となります。このような観点から、特に注目すべき2つの項目についてご説明します。

(1)販売費及び一般管理費―注意すべきは人件費
 なぜ販売費及び一般管理費(以下、「販管費」と呼ぶ)に着目するのかと言うと、販管費の多寡が営業利益以下の経営成績の良否に大きな影響を与えるからです。

 実際、粗利率は高いのに、販管費のおかげで売上高営業利益率が低くなっている会社は非常に多く見られます。そのような場合に、販管費の内訳を調査し、増減分析を行うことで、具体的にどの費目が問題なのかが明らかとなります。

 多くの会社では、販管費の具体的な費目は損益計算書に記載されておらず、販管費の総額が記載されているのみです。そのような場合、販管費の費目別の明細は、「注記事項」に記載されています。「注記事項」のご説明をします。