ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
inside

格安航空に参入するANAが日本を“パッシング”するとき

週刊ダイヤモンド編集部
2008年4月8日
著者・コラム紹介バックナンバー

 シンガポール発バンコク行き730円、クアラルンプール行き660円。そんなタダ同然の航空券を販売する格安航空会社(LCC)に、全日本空輸(ANA)が勝負を仕掛ける。

 この4月、香港に「アジア戦略室」を開設し、今年度内をメドにLCC設立を目指すのだ。「成田、羽田の滑走路が2010年に拡張されるのを機にLCCが日本に本格進出することを想定し、これに対抗するためだ」と山元峯生社長は言う。

 冒頭の激安チケットは、アジア系LCCで最も勢いのあるマレーシアのエアアジアが客引き広告用に販売しているものだが、通常価格も大手航空会社の運賃と比べて、5割、6割引きが当たり前だ。

 低コスト体制が実現できるのは、(1)安いコストの乗員採用による人件費抑制、(2)機種を統一して整備コストを低くし、機材回転率も高めることで機材・燃油費を抑制、(3)機内サービスの有料化や航空券のインターネット直接販売によって営業・販売費を圧縮、(4)使用料の安い空港を利用、という四つが揃っているため。大手航空会社と比べ、なんと3分の1のコストで運航しているのだ。

 ANAの既存組織では、日本人を中心とした高い人件費、国内空港の高い利用料がネックとなる。そこで海外航空会社との合弁設立、あるいは経営を主導できるLCCへの出資を選択する方向で交渉を進めている。

 「半年内をメドに固めたい」とANA幹部。海外航空会社と手を組んでLCCの海外拠点を持てば、日本発着にこだわらず、アジア市場での需要に応じて路線を広げることになる。

 一方、国土交通省は羽田の国際化に依然、腰が重く、LCCに就航の余地が与えられるかは不透明。日本の空の開放が十分に進まなければ、日系勢までもが日本の上空を“パッシング”してアジアを駆け巡る時代が訪れることになる。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 臼井真粧美)

今週の週刊ダイヤモンド

2017年3月4日号 定価710円(税込)

特集 文系こそ学べ 勝つための絶対スキル データ分析

統計分析 Excel入門 データに強くなる

【特集2】
コーヒービジネス大活況
サードウェーブの次に来る波

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購読いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

週刊ダイヤモンド編集部


inside

産業界・企業を取り巻くニュースの深層を掘り下げて独自取材。『週刊ダイヤモンド』の機動力を活かした的確でホットな情報が満載。

「inside」

⇒バックナンバー一覧