また、コミュニティ形成については、市内のNPOや寄り合い活動に対し、外部の若いスタッフ「ヨソモノ」が事務局として参画することで、実務の下支えや、企業のCSR活動との接続などを行っています。例えば、震災以前は銀行や商社、青年海外協力隊などで働いていた方々にお越しいただき、「釜援隊」と称して市内各所に派遣しています。活動そのものは成果指標に基づいてしっかり管理しつつ、産業振興や観光など、様々な取り組みに従事していただいています。

「ヨソモノ」の活躍については、昨年、震災で休止した夏祭り「釜石よいさ」が復活し、活況を呈しましたが、この企画・運営に際し、住民の有志と共に多くの汗を流していただきました。なお、この「釜石よいさ」は、約25年前、市内の製鉄所の高炉が休止し、街が活気を失うなか、街のために何かできないかと考えた当時の若者有志が開催し、以降続いてきたものです。25年前の若者有志から現在の若者有志に対し、釜石市を盛り立てようとの思いと共に、多くの引き継ぎがなされました。これらにより、世代の違いを乗り越えて一緒に街のあり方を議論していこうとの機運が高まったと感じています(トップページ写真)。

小回りのきくデマンドバス

 その他、交通については、一昨年の10月から、トヨタ自動車や東京大学とともにオンデマンドバス(予約制の乗り合いバス)の実証実験を行っています。運行開始から試行錯誤の9ヵ月が経ち、一日あたりの利用者数は2倍となりました。ただし、これにとどまらず、土木・建築事業を通じて再生する街の形にあわせて市内の交通全体を見直しながら、住民と共に、持続可能な交通体系をつくっていきます。

出口をめざし「やりたい」「やるべき」に
「できる」も加えた挑戦を応援

 これまで、被災した方々の生活再建を最優先にきめ細かく復興を進め、一部は着実に前進しているものの、被災した方々に復興の実感を十分得ていただいているとは言いがたい状況であることをご説明しました。

 とりわけ、事業の身の丈・規模については、行政が実施する土木・建築事業にとどまらず、再建した事業者の設備投資においても、初期費用に占める自己負担が一時的に軽減されていることによる見せかけの数字にとらわれることなく、商品の売り先のメドを伴ったメリハリある対応が肝要かと思います。